チーム訪問

2017/03/5
東京成徳大学高等学校
東京都

東京成徳大学高等学校 【Vol.1】 遠香周平監督 コーチングフィロソフィー

今年の東京都女子新人戦を制し、2月の関東大会(埼玉)でも優勝を果たした東京成徳大高校。
過去にはインターハイで4回の優勝を誇り、ウインターカップでも3回の覇者となっています。
常に強豪チームとして全国にその名をとどろかせてきた名門チームです。
卒業生には、昨年夏のリオ五輪で活躍した女子日本代表の吉田亜沙美選手、間宮佑圭選手をはじめ、
山本千夏選手、篠原恵選手など、Wリーグや大学界で活躍する選手が大勢います。
現在、チームを指導するのは監督就任5年目の遠香(おか)周平先生。
今シーズンは関東大会を制し、さらなる飛躍が期待されます。

Vol.1では遠香周平監督のバスケット経歴とコーチングフィロソフィーを紹介します。

東京成徳大高校ってどんな学校?

東京成徳大高校は東京都北区にある中高一貫教育の私立高等学校です。建学の精神である「有徳の人間形成」(すばらしい人間性を持つ人材の育成)を目指し、それを実現するための3本の柱「進学」「文『部』両道」「自分を深める学習」に力を入れています。また平成28年度入学生より、新しい試みとして「45分7時間授業」を導入。特別進学クラスは充実しており、現役東大生と連携し、「部活動に励みながら、高いレベルで学問(学業)に取り組むための意識(心)」などを学ぶ機会もあります。

東京成徳大高校の女子バスケットボール部は、粘り強いディフェンスを武器にアーリーオフェンスから得点を目指す全国大会常連校です。近年、全国大会2、3回戦の壁をなかなか崩せていませんが、再び強豪の返り咲きを狙いながら日々練習に励んでいます。

卒業生には日本代表として女子バスケットボールを牽引する吉田亜沙美選手、間宮佑圭選手(ともにJX-ENEOSサンフラワーズ)、さらに山本千夏選手、篠原恵選手(ともに富士通レッドウェーブ)をはじめ、Wリーグや大学で活躍する選手が多数います。

■東京成徳大学高等学校 HP
http://www.tokyoseitoku.jp/hs/

東京都新人戦で優勝、関東大会でも優勝を果たした東京成徳大高のメンバー


遠香(おか)監督の指導に真剣な表情で聞き入る選手たち

遠香周平監督 

選手時代、大事にしていたのは
ハードワークと全力を出すこと!

バスケットボールを始めたのは中学1年からです。きっかけは友達に誘われたから。シューティングガードをやっていました。味方のスクリーンを使って、キャッチ&リリースでシュートを打つタイプです。自分から切り崩すタイプではなかったですね。たいした選手ではなかったです。シュートもそんなにうまくなかったです。でも、シュートが好きだったのでたくさんシュート練習はしました。

現役時代に大事にしていたのは、攻守でハードワークすること、自分の全力を出すことです。僕は選手に「100本シュートを打ったら、80本は決めてほしい」と、常日頃言っています。バスケットは確率のスポーツなので、勝ちたいならそれぐらい入る選手になってほしい。それができるようになると自信がついて、バスケットがもっと楽しくなってきますから。

教員や指導者になりたい大学の仲間の影響を受け、自分も教員の道へ!

中学・高校とバスケを続けて、東京学芸大学に進みバスケ部に入りました。指導者になりたいと思うようになったのは、大学に入ってからです。当初は別の職業を考えたりもしました。仲間とで飲みに行きいろいろと話をする中で、周りはみんな指導者や教員を希望していて、情熱を持った仲間ばかりでした。

教員や指導者になることに対して友人たちの気持ちのこもった話を聞いているうちに、私自身も「教員っていいな」と思うようになりました。実は大学時代、バスケに没頭していて、あまり勉強をしませんでした。そこで、「もう一回、勉強したい」と考え、大学院に進みました。もうその時点で、教員になりたい気持ちは固まっていました。

東京成徳とのご縁は、僕の高校時代の恩師が東京成徳でお世話になったことがあったので紹介してもらったのがきっかけです。大学院で学びながら東京成徳高の女子バスケ部をサポートする形で練習に参加し、当時の監督である下坂須美子先生の下でいろいろと勉強させてもらいました。そのとき、東京成徳の中学のバスケ部は同好会のようなものしかなかったので、高校の練習を手伝いながら、中学のバスケ部の立ち上げに動いていました。

遠香監督

目指すバスケットは、
臨機応変なディフェンスから
リズムを作っていくチーム

大学院修了後、東京成徳大中学校(当時は女子中、現在は共学)に赴任、女子バスケ部の監督になりました。ただ、当時はこういうチームを作りたいという明確なプランはありませんでした。

高校でベンチに入れてもらいながら下坂監督(当時)の下でベンチワークを学んだり、いろいろ勉強したり。それだけで精いっぱいでした。

中学では創部の頃からコツコツとチームを作ってきて、全国中学校大会で優勝も経験させてもらいました。でもそこで満足をせず、目標は「将来につながる指導をして、高校で勝てる、貢献できる選手に成長させたい」という思いを抱いていました。

2004年に再度、アシスタントコーチとして東京成徳大高校の女子バスケ部の手伝いをし、2012年から監督になりました。高校の指導者となって私自身のコーチングで変わったことは、中学のときより選手の自主性に任せるようになったということです。選手も高校生になると大人になってくるので、なんでもかんでもこちらが指示を出してしまうと、逆に嫌がるからです。

高校でバスケットを卒業する子もいるし、続ける子もいます。引退した後の方が人生は長い訳です。ですから、一番大事なことは、バスケットを通じて何かを学んでほしいということ。特に「チームワークを大事にする、責任感のある選手を育てたい」と、常に考え指導しています。

練習はポジションに関係なく、何でもやらせています。目指すバスケットは、ディフェンスを一生懸命にがんばり、しっかり走るチーム。相手チームや時間帯に合わせた臨機応変なディフェンスからリズムを作っていけるチームです。

今年のチームは、ガードの木村亜美(166㎝)とセンターの大原咲織(185㎝)が昨年の全国大会で経験を積んでいます。そこを軸としながら、あとの3人をどう育てていくかが課題です。木村と大原だけでやれば良いわけじゃありません。コートに立つ5人のチームワークをどう作っていくかが大事だと考えています。去年はインターハイでベスト8まで行けたので、まずは同じ成績を目標にしています。

体育館の壁に貼られていたのは、選手一人ひとりが書いた自分の目標

良い選手の第一条件は
「誰かのせいにしない、
何かのせいにしない」こと!

今の高校生に伝えたいことは、「チームを愛する気持ちを人一倍持ってほしい」ということです。その気持ちを持っていれば、絶対うまくなるし、チームも強くなると思います。バスケットも楽しくなるし、引退後も自分の財産を残せます。

「私はゲームに出たいから、とにかくがんばんなきゃ」「ゲームに出てるけど、なんかうまくいかないな」など、選手にはいろいろ悩みはあります。でも、チームへの愛情があれば、苦しい場面も打開できるはずです。そしてコートに出ている選手だけでなく、チームへの愛情が強いことによって、先生やコーチ、後輩もみんなが助かります。また、そういう気持ちを持てる選手は大きく伸びるし、チームを助けてくれます。

本当に良い選手の条件ベスト1は「背が高い」とか「能力がある」とか「速い」といった要素ではなく、「誰かのせいにしない、何かのせいにしない」ことです。それはバスケットに限らず、人生でも同じことだと私は考えます。

その中でも、個性派集団でチームワークがあるチームがベストですよね。金太郎あめみたいに同じ選手が集まっても化学反応は起きないし、勝てません。

ラグビーの故・平尾誠二さん(ラグビー元日本代表監督)が「日本人はONE FOR ALLばっかりだ」「ALL FOR ONEが下手だ」とおっしゃっていました。日本は自分を殺してチームに尽くすのがチームワーク、チーム愛だと思っているけど、それだけではいけない。一人が異質なことをやったときにみんながそれに合わせていけるのが本当のチームだと。まさしくその通りだと思いました。


4月からは就任6年目、インターハイでの上位進出を目指す遠香監督

※次回の【Vol.2】では、チームを支える人を紹介します。

取材・文・写真/一柳英男


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