チーム訪問

2016/12/16
正智深谷高等学校
埼玉県

正智深谷 【Vol.1】 成田 靖 監督 コーチングフィロソフィー

埼玉県の強豪チーム。夏のインターハイでは3回戦に進出。
9月に行われたウインターカップ予選決勝では西武文理戦の難しい接戦をものにし、ウインターカップ出場を決めました。
今回は、その正智深谷を訪問し、その魅力に迫りました。
第1弾は、成田靖監督にインタビューを行いました。

正智深谷ってどんな学校?

正智深谷高校は埼玉県深谷市にある私立の高等学校です。教育方針は「自己肯定感を育み、他者を認めることができる」「問題解決に協働して取り組み、他者に貢献できる」「夢を持ち、そのための地道な努力を継続できる」 人たちを育てること。ビジョン(航海図)に基づき、明確な教育目標(目的地)に向かって、教職員(乗組員)が一致団結して教育改革を行い、地域社会に根付いた地域に愛される高校を目指しています。

正智深谷高等学校・男子バスケットボール部は「泥臭く」「チーム一丸」「当たり前のことをしっかりと」をモットーに、日本一を目指しています。夏のインターハイでは3回戦に進出。9月に行われたウインターカップ予選決勝では西武文理を94-91。難しい接戦をものにし、ウインターカップ出場を決めました。卒業生には昨年度関東大学新人トーナメント・新人王の波多智也(現・筑波大2年)がいます。

成田 靖 監督 

キーワード①
高校2年で前十字靭帯断裂、このまま終わりたくないと指導者に!

高校時代、ポジションはセンターでした。フックシュートやミドルシュートが得意で、確率も高かったと思います。点取り屋でした。国体の候補選手にも選ばれていたので。自分で言うのもなんですが、良い選手だったと思います(笑)
高校2年で前十字靭帯を断裂。そこでほぼ選手生命は終わりました。今みたいに医療技術が発達していなかったので、40日間入院して7か月プレイできなかった。高校3年生の頃、私はキャプテンでしたが、ほとんど試合に出れず。冬の選抜優勝大会(現・ウインターカップ)で復帰しましたが、当時はまだ復帰プログラムも確立していなかったので、筋力の戻りも悪く、怪我をする前の身体には戻れませんでした。
今、Bリーグで活躍されている折茂武彦先輩(レバンガ北海道)に私はすごく憧れていました。家も近所だったので、行き帰りも一緒でした。すごくお世話になって。だから本当は先輩のいる日本大学へ行きたかったんです。でも怪我でプレイもままならなくなってしまい、大東文化大学に拾ってもらった感じになりました。ですから大学のときは試合に出ない副キャプテンで、良いプレイヤーではなかったです。卒業後頭を下げてお願いすれば、関東実業団でプレイすることもできたかもしれません。でも選手をやるなら自分の膝が限界だとわかっていたし、中途半端にプレイしても自分で納得ができないなと思いました。
そのとき、「このままじゃ終われないな」と、教員になることを目指しました。

大学を卒業して、すぐこの正智深谷高校の非常勤講師として働き始めました。そこでバスケ部のアシスタントコーチを3年間やりました。ちょうどそのとき、前任の先生がバスケ部顧問を退かれたので、そこで私が監督になりました。年々指導をしてくると、子供たちに助けられたり教わることが本当にたくさんあります。指導者というのはとても深いです。彼らの人生を左右する仕事です。もちろんプレッシャーもありますが、そこがおもしろい。

キーワード②
『不易流行』は埼玉県で初優勝したとき、保護者からいただいた言葉

私が28か29歳の頃、初めて正智深谷は埼玉県で優勝しました。そのときのチームのモットーが「北部地区からインターハイに行こう」でした。私たちの正智深谷高校がある北部地区というのは埼玉県でもいちばん田舎です。それでも全国で戦えるんだと証明しようとがんばっていました。そのとき保護者がくれた言葉が『不易流行(ふえきりゅうこう)』です。変わらずに大事なものを残しつつ、新しいものを取り入れる。うちは強くなってきたけど、大事な部分は変えずに残し、でも伝統は進化させていこう。『不易流行』という言葉をいただいてからずっと使っていたんですが、それを2015年に横断幕にして、部訓にしました。

キーワード③
高さと能力と上手さがそろった今の正智深谷!足りないのは泥臭さ

正智深谷はアグレッシブに守って、脚を使って得点を取りにいくチームです。2012年石川インターハイでたまたま全国3位になれました。そのとき、チームの最長身が183㎝だったんです。敢えて小さいチームにしたわけではありません。怪我人が出たり、選手がいなかったんです。ですからインターハイでは高さや能力で勝てない。だったらそれ以外の部分で勝負しよう。そこで「高さを封じ込めるための力強さ」と「上手さを封じ込めるための速さ」で対抗していこうと、今の走るバスケットが生まれた気がします。その頃から正智深谷は小柄だけどよく脚を使うチームというイメージができたのかなと思います。

今年のチームはいつもより身長が高く能力が高い子たちがそろいました。2012年・2013年は小柄だけど強さと速さでバスケットができました。今年の正智で同じことができたら、高さと能力と力強さと速さの融合で、もっとプラスアルファができるんじゃないか。でも上手い、能力のある選手は自分が上手いと自覚をしているので、がんばることを嫌がるんです。だから打たなくて良い場面で上手さを出して簡単にシュートしてしまう。もっと中でガツンと力強く入っていけば、簡単に2点を取れるのに。上手さで2点を取りにいってしまう。今のチームは2012年のような徹底力がまだありません。そこが課題です。

キーワード④
感情を上手さでごまかさず、喜怒哀楽をプレイで表現してほしい!

きれいなシュートより、「お前みんなのためにそこまでしてくれるか」。そう見ている人が感じるぐらいがんばってくれると、すごくうれしいですね。喜怒哀楽をプレイで表現できる選手が好きです。今のうちには感情を上手さでごまかしてしまう選手が何人もいる。今の正智にはすごく可能性があると思います。日本一になれる上手さは持っていないけど、日本一に近い上手さは持っています。日本一になるためにあと必要なのは上手さに頼らない泥臭さです。 試合に出ていようと出ていまいと、調子が良い悪いにかかわらず、やりきること。徹底すること。それを高校生には求めます。

取材・文・写真:一柳英男


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