チーム訪問

2016/12/8
福岡大学附属大濠高等学校
福岡県

福岡大附大濠 【Vol.3】 注目有望選手 インタビュー

インターハイ優勝3回の全国大会常連校。
数多くの有名選手を輩出し、高校バスケ界を牽引している九州の伝統名門校に迫る。
第3弾は、伝統の速攻復活を期して、福大大濠の牙城を守る3銃士。U18でも活躍する注目有望選手-3選手にインタビューしました。



アメリカ育ちのキャプテン 近い将来の目標はNCAA

鍵冨 太雅
憧れのデューク大のようにディフェンス、リバウンドで泥臭いプレイが身上


鍵冨太雅/3年/F/191㎝
憧れのデューク大のようにディフェンス、リバウンドで泥臭いプレイが身上

――はじめに、鍵富君から見た西田君と兒玉君について。

(兒玉)修は、ガードでプレイの指示を伝える役割です。声を出したり、指示を出したり頼もしい存在。しかも後輩に厳しい面もあって、そのおかげでチームのバランスが取れていると思います。
西田はマイペースな人。U16もU18も一緒で、どんな場面でも勝負所では西田のスリーが必要。自分が1対1の時ディフェンスが寄ってあいたら頼るべき存在です。

――3人は下級生から試合に出ていて、チームの屋台骨を背負う存在。鍵富君自身、去年はケガに泣いた1年間でしたね。

ケガばっかりでした。2月に手首を骨折して手術。4月に復帰して、能代カップで足首を捻挫。九州大会の時に復帰して出ましたが、調子はまったくダメ。でも、今年は身体のケアも気にするようになって、ケガはしていません。直ってからはチームのために何が出来るかを考えていました。
今年は運動能力や、フィジカルはレベルアップしていると思いますが、ゲームになって必要になってくる体力やドライブの時の切れはまだ足りない。今年は感覚がつかめてきています、仕掛けるタイミングは段々理解してきているので、自信を持ってやるしかないです。

――よく言えばボール運びから、ドライブ、リバウンド、ディフェンスを頑張り、勝負所の間を割って入るステップイン、泥臭いプレイと何でもできる。

もちろん武器は必要だと思いますが、何か突出したプレイだけがあってもそれだけでは難しい。自分の目標としているアメリカでは、自分より運動能力が高い選手ばかり。今はまだ完璧に身についていない近遠距離のジャンプショットをもっと確率を上げていければと思っています。練習では確率も上がってきていますが、勝負所ではドライブでリングに向かって行ってしまう傾向にある。
シュートだけ、跳ぶだけでは外国人は能力があって、自分はその分何かでカバーしなくてはいけない。B.リーグでもそうですけど、特殊なステップを使って、考えてプレイして回りを生かして、賢くプレイしなきゃいけない。でも考えすぎないようにプレイしています。

――バスケットを始めたのはアメリカ。何歳から。

バスケは好きだったので家の前にリングを立ててもらって遊んでいました。本格的には小3の時に親(父は明治大~丸紅でプレイ)にチームに連れて行ってもらい、コーチに教えてもらって自信をつけ、小4からAAUというクラブチームのトライアウトを受けて、そこから自分のニューヨークでのバスケット人生が始まりました。

――お父さんとプレイの質とはまるで違いますね。

父はハンドリングとか全然できなくて不器用だったから「自分みたいに終ってほしくないから」と小さいころからハンドリングの練習を習いにコーチの所へ連れていってもらいました。だから何でもできるのは、ある意味便利だと思っていますし、親に感謝しなきゃいけない。
父に「自分は運動能力でリバウンドを取って、ちょっとジャンプショットやっていた。それだけではアメリカのディビジョン1には行けないよ」と言われました。当時はデュークとかNCAAのFINAL4に残っているのを見て憧れ、好きだったのはデューク大で全米制覇したカイル・シングラー(サンダー)。運動力でいえばアメリカでは普通だけど、デュークらしくディフェンスで頑張って賢くプレイをする選手。ケンタッキーやウエストバージニアを倒して優勝。こういうプレイなら自分もやれるかなぁ、と。近い将来の目標はNCAA。

――中学の時、日本に戻ってきてからもアメリカにも戻っていましたね。

親が東京に転勤になったからです。今はまた再転勤で親はヒューストンにいます。夏休みに毎年自分の同期たちとやりあえるか自分の位置を確認するため、毎年自分の力を試しにキャンプに行っていました。自分の行っていたキャンプはD1のコーチにアピールするための“ショーケース”(自身を売り込むために行うプロモーション的なプレイ)。日本のバスケットとは違いますが、違和感はなかった。

――ところで、アジアU18の手応えは。

日本としても歴史的な瞬間で、その12人のメンバーには入れてもらっていたので、素直に喜ぶべきだと思います。自分は、ロイブルコーチにも「はっきり理解していると思うけど、今大会では得点ではなくて出た時間全力でディフェンスを頑張ったり、ハッスルプレイ、リバウンドの面、ドライブで突破口を開いたりそういう役割」と言われていました。それはできたと思います。

――決勝進出を決めた翌日がインターハイ初日。結果を知ったときは。。

結果は勝つか負けるかのどっちか。どっちがきてもいいように覚悟していました。気持ちとしては、自分たちは何もできねことがなかったので仕方ないと思って切り替えていました。

――そこから現在にいたる練習は変わりましたか。

あの試合も最初離されてしまって、4Qで頑張った試合でした。点数が入らないんだったら、最初からディフェンスを徹底するしかない。インターハイが終ったあと、ディフェンスを集中的にやって脚を作っています。ディフェンスを重視にやっています。

トレーニングは、トレーナーさんからやり方を教わって改革しています。トレーニングは週5とか6に増えました。フィジカルで重さに慣れる必要性があることで、上半身下半身交互にやっています。

――ウインターカップまであと少し、最後の大会に向けて。

自分たちはU18の合宿でいなくなったり、準備する時間はあまりありません。1日1日の練習を大切にして、少しでも集中力が切れたりすると、練習の質が下がって1日の練習が無駄になってしまう。そういう無駄をはぶいて行きたいと思います。

――最後にウインターカップに意気込みを聞かせてください。

夏は自分たちがいないとはいえ、勢いに乗り切れていなかった部分があったので、1回戦から勢いに乗って、思い切り大濠らしさを出せればなと思います。

安定したシューター

西田 優大
高校入学直後にシュートフォーム改造


西田 優大/3年/SG/188㎝

――西田君から見た兒玉君と鍵富君について。

(兒玉)修はガードだし、ゲームキャプテンです。寮では合い部屋なのでお互いこうしていこうという話はよくします。ガードとシューターで、パスの供給、ほしいところも話を3年間しているので他のチームには負けないものがあります。
(鍵富)太雅はキャプテンだし、リバウンドとかルースボールとすごい泥臭いところを頑張ってくれるので、チームの中心になる選手だなぁと思います。

――ボールのもらい方とか、ずれを作ったり、今までにないドライブしたり自分で考えた工夫が見られます。

同じポジションの人間と比べると少し背が大きいと思います。背がでかい分他の人と比べるとスピードも落ちるし、外のシュートだけだと抑えられると思います。大濠の中でも大きいほうなので、インサイド、ポストの練習をしました。ドライブは流れの中で意識的に行くようにしています。
実際にはドライブから合わせの部分も多くなって、ドライブすることによってプレイの幅が広がってきていると思います。チームとしても、自分的にも成長できているかなと思います。

――去年の全国0勝をどうとらえていますか。

備えてきたものは他のチームよりもいいものがあると思うし、去年の負けは今年にプラスになると思っているので、去年の負けを怖れず今年こそはという気持ちがあります。大濠のいいところは選手層の厚み。自分がいかに泥臭いプレイができるかどうか。そう取り組まないと去年と同じ結果が生まれてくると思うので、一人ひとりがリーダーシップを持ってやっていきたいと思います。

――バスケットを始めたのは。

小学校4年、(徳島の)牟岐ミニバスです。もともと牟岐ではないのですが、自分の小学校にバスケットがなくてたまたま牟岐に行っていました。
シュートはうまいほうだと思いますが、シューターではなかったです。平均20点ぐらい、調子がよい時は30点ぐらい取っていました。

――中学まで徳島で、大濠には。

家の近くに田中先生の知り合いがいて、その人の紹介で初めて大濠に練習にきたのがきっかけです。

――1年の時からプレイタイムももらっていましたよね。

大濠に来てまず言われたのは、身長が大きくてシューターが今いない。というタイミングも良かったのかなと思います。入学当初は、確かに当たりはずれの波はありました。肩から投げる感じのシュートだったので、それじゃあ安定しないと片峯先生から言われて修正しました。最初はボールも飛ばないし、まっすぐは飛ぶけど距離感がつかめませんでした。1年のインターハイ予選には安定するようになっていました。

――なりたいという選手像は?

シュートだけは抑えられないなと言われる選手。そのためには、今よりもシュートの精度を上げることと、やっぱりドライブです。

――U18の手応えは。

U16の時のリベンジもできたし、世界選手権の切符を取れたことはひじょうにうれしいです。自分自身としては、U16の時からアジアでは戦える自信があったので、そこは変わらず、得点をたくさん取れたことはよかったと思います。
今回3人シューターがいた中で、(杉本)天昇や僕、そこまで三上さんが当たってなかったのですがキャプテンだし、自分たちが支えるという気持ちで毎日やっていました。

――今のチーム状況は、どうですか。

ディフェンスを頑張ってブレイクを出そうとしているんですけどブレイクに持っていく部分はだいぶできてきたのかなぁと思います。自分自身もウイングに最初に走らなきゃいけないという意識があって、常に先頭を走れるように頑張っています。

――最後のウインターカップに向けての意気込みを。

去年、そして今年の夏も含めていい結果が残せてない分、3年として悔いが残らないようししたい。結果はもちろん優勝を目指して頑張りたいと思います。

ポイントガードとしてまだ成長中

兒玉 修
能代カップ前に話し合い、一からやろうと決めました


兒玉 修/3年/PG/163㎝
兒玉3兄弟の3番目。

――去年、結局全国0勝でした。それはどうでしたか。

周りからも言われるし、4月まで練習の雰囲気も悪かったです。やる気がないわけではないのに、ぐだぐだしていました。練習試合でもみんな自信がなさそうでした。能代カップ前にみんなで集まって、去年は去年。今年は今年で結果を出していこう、やるしかないんだと。去年は勝てるだろうみたいな思い込みがあったのを一切なくして、チャレンジャーとして一からやろう、と決めました。
また、今年はどこでも点を取っていけるチーム。西田のアウトサイドもあれば中もできる。太雅もいろんなポジションができる。渡嘉敷もドライブできて、みんな役割がはっきりしている。あとは悪い流れの時にまとめる力。自分がやらなくてはいけないのですが、それがコート上にいない。それが課題です。

――最大のライバル校福岡第一の重富ツインズについて。

ミニバスの時から知っていて、中学~高校とずっとやってきました。中学校の時は1回も勝てなかったんですよ。初めて勝ったのは1年生大会の時。1回勝てば負けられない。九州大会でもチームは勝ちましたが、個人的にはもっとやれたかなぁと後悔して、ビデオをずっと見ていました。

――あらためてインターハイ。入りがかたくて最大36点のビハインドから追い上げた形で、無念の1回戦敗退でした。

鍵富と西田がいない分、みんながやらなくてはという思いが強すぎてそれが空回りしてしまいました。

――3人がいないとはいえ、あんなにディフェンスが崩壊したことに驚きました。

オフェンスがうまくいかなかった分そこに意識がいってしまい、ディフェンスがザルになってしまった部分がありました。そこで自分がもっとディフェンスのことを言えばよかったんですが、オフェンスのことを考えてしまって点入れなくてはという状態でした。
今はディフェンスの強化が主体で、個でディフェンスを守ることと、ボールサイトを意識したチームディフェンスをしています。まだまだうまくできない部分もあります。

――ウインターカップ予選は。

予選は西田のスリーも決まり、ディフェンスも機能していい感じだったのですけど気がゆるんだディフェンスになったところが反省点です。自分自身はボールも回せていたので、いい流れのオフェンスもできたし、ディフェンスもみんな脚が動いていたのでガードしてはいいかなと思いました。

――福岡第一がインターハイ優勝したことについて。

素直におめでとうとは言えなかった。いいわけなんですけど勝率ではいいので決勝に行けば勝ったんじやないかぁと思う自分もいて、情けなかったですね。

――初めて福岡第一と練習試合をしたと聞きました。

初めてやりました。みんな燃えましたね。向こうが優勝したあとだったので、どこまでやれるかなと。試合は15点リードしていたのが追い上げられて、またマインドがオフェンスに行きだして、イージーなバスケットを相手にされて重冨にどんどん決められて追いつかれた感じでした。最後は西田のスリーポイントシュートが決まって同点で終了。

――最後のウインターカップに向けての気持ちは。

去年から全国1勝ができていなくて、チームとしても個人としても結果を残していません、試合になればいろいろと考えます。今年は最後の年でもあるし、一戦一戦勝っていって、最終的に優勝という形になればいいな、と。勝てるようにゲームメイクをして、優勝できるように頑張ります。

――兒玉君から見た西田君と鍵富君について。

西田はエース。そこを自分がどう使っていくか。太雅については、何でもできるので、今までボール運びは自分がやってきたんですけど、それを太雅にもストレスのないようにやらせてあげたいと考えています。

取材・文・写真:清水広美

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