2017/04/19

埼玉カップ2017 【大会レポート】 正智深谷(埼玉)が初優勝

男女ともに地元・埼玉勢の奮闘で大盛況に

今年で12回を数える埼玉カップが、4月8日(土)~9日(日)、上尾運動公園体育館、埼玉県立スポーツ総合センターにて開催された。

この大会は埼玉県勢の強化の一環として、県外の強豪チームを迎えて切磋琢磨する場となっている。女子は9チームが全試合総当りのリーグ戦。以前の埼玉カップは、男子も女子と同様に10分2本のハーフゲームを行っていた。しかし、招待した県外の先生方から「カップ戦をするなら順位づけをしたほうが緊張感もあるし、埼玉勢同士だとBチーム戦になる。埼玉県の強化のためにやるのならば、埼玉同士が当たらないようにしたほうが面白いだろう」という提案があり、4年前から下記に示す現在の方式になった。

大会はメイン会場の上尾運動公園体育館だけでなく、普段、観客の少ないスポーツ総合センターにも多くの観戦者が詰めかけ、全国区のビッグネームの参加に主催の埼玉県関係者も感謝の意を示していた。


大会初優勝を遂げた正智深谷

◆男子の試合方式
・予選リーグ(
8✕4Q制)、
・順位決定トーナメント(10分✕4Qのフルゲーム)

数年前からは埼玉県新人戦の上位2チームに、さらに埼玉県選抜が順位決定戦でシードとなる変則編成が組まれている。

過去、埼玉県勢の男子は劣勢を強いられてきたが、今年は正智深谷が初優勝を果たし、埼玉栄、埼玉選抜も奮闘を見せ、おおいに気を吐いた。ここでは男子を中心に総括レポートをお届けしたい。


今大会、奮闘した埼玉栄。#4井上大晟、#14ミカサポ・ペニ。中部大第一戦から

決勝は正智深谷vs明成戦に

予選リーグ緒戦では明成(宮城)に49-52と後塵を拝した正智深谷(埼玉)。さらに、東海大諏訪戦(長野)では粘り合戦となり、58-58とイーブン(大会規定により延長はなし)。だが、翌日の順位決定トーナメントでは鬼門の準決勝で福島南(福島)を下し、決勝で再び明成と対戦することになった。

今年の正智深谷は、#4常田耕平(3年・187㎝)、#5川口颯太(3年・174㎝)、#6増田英寿(3年・190㎝)らを中心とした運動量豊富なチーム・ディフェンスからの速い展開が持ち味。

決勝戦は、正智深谷が立ち上がりから自ペースに持ち込み、先行する。一方の明成は、#8八村阿蓮(3年・194㎝)のセカンドショット、#5塚本舞生(3年・172㎝)のドライブ、#10田中裕也(2年・174㎝)のスリーポイントで追いかける形となった。

3Q、正智深谷は、キャプテン#4常田が早くも4ファウル、さらに#7中村吏(3年・195㎝)もファウルがかさみ、ファウルトラブルのピンチ。しかし、この場面で控え選手の活躍がチームに勢いを与えた。抜群の身体能力で進境著しい#14田並陽弥(3年・178㎝)が代わってコートに登場すると、思い切りの良さを披露し、さらにシックスマン#9渡部 琉(2年・190㎝)がこぼれ球をチップインでねじ込み、逆に点差を広げていく。

明成は4Q最大20点差のヒバインドを、#6相原アレキサンダー学(3年・185㎝)、#12本間紗斗(3年・189㎝)、#10田中のスリーポイントで肉薄する。しかし終盤、正智深谷が、#5川口のフローターシュート、#6増田のバスケットカウントによって85-77と逃げ切り、初優勝を飾った。


正智深谷


準優勝は明成。#6相原アレキサンダー学

◆正智深谷
「2012年のチームに学び、追い越したい」(成田靖監督)

意外にも正智深谷は今大会が初優勝だ。

「過去に優勝はありません。新人戦1位のチームは1位トーナメントでやれるのですが、過去、すべて準決勝で負けています」と語る正智深谷・成田靖監督。

昨年のエース山口颯斗(現・筑波大1年)が抜け、今年の正智深谷は図抜けた存在はいない。だが、ディフェンスのしたたかさは、むしろ昨年のチームを上回っている。成田監督が求めているのは、“徹底力”だ。全国区に一躍名乗りをあげてベスト4入りした2012年石川インターハイのチームがおのずと基準となっている。

「当時のチームは高さがない分、強さでカバー、うまさがない分は速さで補っていました。そこで今年のメンバーには、特にディフェンスの部分を何回もビデオで見せ、『これにお前たちの高さが加われば、もっと有効だ』と話しています」と成田監督は語る。

その一方で、“2012年基準” を早くなくしたい、次の手本となるチームをみんなで作りたいという思いも募る。決勝では、#5川口が明成にボックス&ワンで徹底マークされた。こうした展開になった時に他の4人で得点を取りに行くことも命題としてあり、今大会はそれが具現化されたことが勝因の一つとなった。

正智深谷の伝統である「徹底したディフェンス力」に、今年の武器である高さのミスマッチを加えることができたら、“2012年基準”を超える正智深谷の新たな1ページが開かれるはずだ。インターハイ予選に向けて、正智深谷がどうチームを進化させていくか、注目だ。


ディフェンスを強みとする正智深谷。今年はその守りに高さという武器が加わっている。東海大諏訪戦から


正智深谷ベンチ。右から3人目が成田監督

◆Vol.2では、大会で活躍が目立った選手から次の3選手を順次紹介します。
 ◎正智深谷#4常田耕平選手 →記事を公開中
 ◎埼玉栄#5廿楽港大選手
 ◎埼玉選抜#4竹山快選手

取材・文・写真 清水広美 
写真 若生悠貴



明成-宇都宮工戦

埼玉カップ2017 男子最終順位

 1位 正智深谷 (埼玉) 
 2位 明成 (宮城) 
 3位 市立船橋 (千葉) 
 4位 福島南 (福島) 
 5位 中部大第一 (愛知) 
 6位 東海大諏訪 (長野) 
 7位 浜松学院 (静岡) 
 8位 埼玉栄 (埼玉) 
 9位 埼玉県選抜 (埼玉)
 10位 土浦日大 (茨城)
 11位 育英 (兵庫)
 12位 宇都宮工業 (栃木)


女子の試合方式と総括

・10分-2分―10分のハーフゲーム
・全チームによる総当りリーグ戦

最も勝率が良かったのは、6勝0敗2分の埼玉栄だ。同じ勝ち星の郡山商戦を41-40と僅差でしのいだ。その郡山商は、埼玉栄戦が唯一の黒星、6勝1敗1分の成績を収めた。続いて山村学園が郡山商に36-37で唯一土をつけられ、5勝0敗2分で3位。上位は僅差の戦いだった。(※埼玉同士は対戦せず引き分け)

埼玉カップ2017 女子最終順位

 1位 埼玉栄(埼玉) 
 2位 郡山商(福島) 
 3位 山村学園(埼玉) 
 4位 埼玉県選抜(埼玉)
 5位 東海大諏訪(長野) 
 6位 千葉経済大附(千葉) 
 7位 滋賀短附(滋賀) 
 8位 明秀学園日立(茨城)
 9位 駿河総合(静岡)

試合の詳細なスコアは、こちらを参照ください。
◆埼玉県バスケットボール協会HP


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