2017/04/5

強豪集う“春の全国大会” KAZU CUP 2017  桜丘高校(愛知)が初優勝

KAZU CUP2017が3月28日~30日、日本工学院八王寺専門学校体育館で開催された。この大会は、闘将として知られる中村和雄氏の名を冠して創設された大会だ。

中村氏は、鶴鳴女子高校(長崎県)で高校日本一になった後、そのコーチング手腕を買われて共同石油(現JX-ENEOS)のヘッドコーチに就任。チームを幾度となく日本一に導き、女子日本代表ヘッドコーチとしても数々の国際大会を戦った名将だ。女子を指導した後は、男子チームのヘッドコーチを歴任。オーエスジー、秋田ノーザンハピネッツ、新潟アルビレックスBBでその腕をふるった。

今年も全国から強豪16チームが大会に参加した

本大会は、全国各地から中村氏自身が「熱心な指導者、高校生らしい16チーム」を厳選した招待試合。今年は旭川工業、市立船橋、開志国際、神戸村野工業、駒澤大苫小牧、桜丘、尽誠学園、日本大東北、沼津中央、直方、延岡学園、八王子学園八王子、福岡第一、明成、盛岡南、山形南の16校が参加。予選リーグ、順位決定リーグと、3日間で6試合のハードな日程を戦った。ここでは、大会の総括をレポートしたい。

◆激戦を制して桜丘高(愛知)が初優勝、2位は明成高(宮城)

下級生を主体とした桜丘が、予選リーグでは昨年度優勝の福岡第一を、1位リーグでは一昨年の優勝校・明成を撃破し、初優勝をさらった。

「大会3週間前から福岡第一対策のゾーンを練習してきた」と桜丘の2年エースシューター#9冨永啓生(179㎝)が言うように、予選リーグの福岡第一戦ではこのゾーンがはまり、冨永自身のスリーポイントもさく裂し、107-56で歓喜の勝利をあげた。

MVPを獲得したのは桜丘2年の#9冨永啓生

さらに、1位リーグでは開志国際との激戦を80-70でクリア。決勝となった明成戦では、#9冨永に対して明成が徹底フェイスガードを仕掛ける。しかし、ここまで不調のセンター#10ジャイニャ・クル(200㎝)がゴール下で奮起。また#6今田涼斗(185㎝)と#7大井崇幹(177㎝)のスリーポイントが「ここは俺の番だ」といわんばかりに大当たり。95-51で明成を突き放す躍進の原動力となった。

ベストコーチに選ばれた桜丘・江崎悟コーチは「昨年は3年が1人だけ、1年主体に切り替え全国にも出られず、つらい1年でした。林永甫コーチがやめられて、私自身も指導者として一人立ちすべく一念発起。3年前の全国ベスト4に続く新たなチーム作りに取り組んでいます。カズさん(中村和雄氏)には全国4強ではなく、全国優勝を目指せとはっぱをかけられました。あのゾーンをさらに練りに練り上げていきます」と、さらなるチーム強化に取り組む決意を示した。

桜丘は、リトアニアからの留学生、ラポラス・ベンツロバス(198㎝)が新戦力として加わったが、ラポラス以外にも有力な新戦力が加わる予定と言う。


対戦相手を苦しめた桜丘のゾーン・ディフェンス

明成は、リバウンドでアドバンテージを握り勝ち上がってきた。ところが、キャプテン#6相原アレクサンダー学(185㎝)が大会2日目に鼻骨骨折で最終日は不出場となり、チームバランスが崩れてしまった。#8八村阿蓮(194㎝)、ルーキー#11蒔苗勇人(185㎝)が応戦するも、桜丘戦は51-95と40点以上の大敗となった。

この結果、優勝は全勝の桜丘となり、2位以下は3チームが三つ巴となり、3チーム間の得失点差で2位・明成、3位・延岡学園、4位・開志国際の順となった。

明成#8八村阿蓮

◆注目を集めた選手たち

今大会は主力にケガ人が多く、不本意な出来だったチームも多い。その中で気を吐いたのは、福岡第一のオールラウンダーの#8松崎裕樹(190㎝)、シューターでは市立船橋#4保泉遼(181㎝)、#7野崎由之(180㎝)、延岡学園#8近藤央(182㎝)、開志国際のルーキー#15ジョフユセフ(202㎝)らが、前出の選手に加えて、注目を集めた。

◆エネルギッシュなパワーを見せた村野工業

上位チーム以外でも新人戦での不本意な成績をはねとばすエネルギッシュなパワーを披露し注目を集めたのが、神戸村野工業(兵庫県)だ。上背を覆す運動量の豊富さでパラレルスクリーンを生かして相手を翻弄。ベンチとコートが一体となったアグレッシブさが異彩を放ち、予選リーグでは福岡第一や桜丘を苦しめた。

「外国人選手がいる相手を想定して、自分たちよりランクが上の全国区のチームに挑戦しようと練習してきました。苦しい時間帯にまだディフェンスが甘くそこが反省点。全国強豪相手の勝ち方を学びました」と、#4堀本侑汰(183㎝)は今大会での手応えを語った。


桜丘#10ジャイニャ・クル

KAZU CUP 2017最終順位】

 優勝/桜丘高等学校(愛知)
 準優勝/明成高等学校(宮城)
 3位/延岡学園高等学校(宮崎)
 4位/開志国際高等学校(新潟)
 5位/船橋市立船橋高等学校(千葉)
 6位/福岡第一高等学校(福岡)
 7位/岩手県立盛岡南高等学校(岩手)
 8位/尽誠学園高等学校(香川)

試合の合間に選手にアドバイスを送る中村和雄氏

【個人賞】  (※新学年)
◆MVP/冨永 啓生(桜丘#9/179㎝/2年)
◆MIP/八村 阿蓮(明成#8/194㎝/3年)
◆ベストコーチ/江崎 悟(桜丘コーチ)
◆優秀選手賞
 前野 慎 (旭川工#4/170㎝/3年)
 庄司 理宇 (市船橋#5/186㎝/3年)
 清水 瑠衣 (開志国際#21/176㎝/2年)
 堀本 侑汰 (神戸村野工#4/183㎝/3年)
 鶴巻 魁 (駒澤大苫小牧#7/180㎝/3年)
 ジャイニャ・クル (桜丘#10/200㎝/3年)
 高橋 透真 (尽誠学園#4/175㎝/3年)
 石黒 光哉 (日本大東北#4/170㎝/3年)
 渡辺 僚 (沼津中央#4/175㎝/3年)
 八田 健仁 (直方#4/180㎝/3年)
 近藤 央 (延岡学園#8/182㎝/3年)
 野間 剣心 (八王子学園八王子#8/176㎝/3年)
 井手 拓実 (福岡第一#4/175㎝/3年)
 永井 幹久 (山形南#4/175㎝/3年)
 塚本 舞生 (明成#5/172㎝/3年)
 畠山 玄 (盛岡南#8/178㎝/3年)


閉会式で講評を述べる中村和雄氏

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取材・文/清水広美  写真/一柳英男

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