2017/06/20

2017東海大会 【女子】 岐阜女子が桜花戦で見せた勝負強さ

今季3度目の対決となった岐阜女子vs桜花学園戦
岐阜女子がリードを奪って第4Qへ

 東海大会女子の決勝戦は、東海新人大会の決勝戦と同じ、岐阜女子と桜花学園の対戦カードとなった。この2チームは近年の全国大会――インターハイ、ウインターカップなど――でも決勝戦を争っている全国トップレベルのチームだが、2017年になってからも2度対戦している。1つは上記の東海新人。このときは25点差で岐阜女子が桜花学園を破っている。2回目はその約1か月後、広島でおこなわれた「全関西バスケットボール大会」である。そのときも岐阜女子が勝っているが、差は12点差と詰まっている。その流れでの第3ラウンドが、東海大会の決勝戦となったわけだ。


岐阜女子は190㎝のバイ・クンバ・ディヤサンの高さを生かし加点。クンバは28得点の大活躍。桜花はクンバのインサイドを抑えることができなかった

 試合は序盤から岐阜女子が#7バイ・クンバ・ディヤサン(以下、クンバ)のインサイドプレーで得点を重ねていく。桜花学園も対策を練ってきたが、ことごとくその上を行かれてしまう。井上眞一コーチも「(#8伊森)可琳では細いから守れない」と、クンバの強さに舌を巻く。

 桜花学園も#4山本麻衣の3ポイント、#9坂本雅のドライブ、#7藤本愛瑚のジャンプシュートなどで粘り強くついていくが、岐阜女子はクンバが3回目のファウルを犯し、ベンチに下がった第2Qの残り2分で練習の成果を発揮する。4点リードで、いったんは桜花学園の#8伊森にリバウンドショットをねじ込まれて2点差にされるが、そこからキャプテンの#4石坂ひなたのドライブ、パワーフォワードの#10江田晴香のリバウンドショット、そしてガードの#5池田沙紀のジャンプシュートで8点差にまでリードを広げて、前半を終えたのである。安江満夫コーチも「あの場面でクンバ以外の選手が頑張ってくれたことは大きい」と認めている。

 後半になってもその流れは大きく変わらず、コートに戻ってきた#7クンバが10分間で8得点をあげるなど、第3Qが終わった時点で岐阜女子のリードは12点にまで広がっていた。

岐阜女子で攻守に奮闘したのが2年の#5池田沙紀だ。19得点をマークしただけでなく、ディフェンスでの貢献も大きかった

一度は逆転しリードした桜花だったが、
岐阜女子が再逆転で逃げ切る

 しかし、このまま終わらないのが桜花学園である。第4Q、#6出原菜月のジャンプシュートで反撃の狼煙(のろし)をあげると、#7藤本、#4山本がフリースローをきっちり決めて6点差。さらに井上コーチに「細い」と言われていた#8伊森がインサイドで体を張ってリバウンドショットを決めると、勢いに乗った桜花学園はディフェンスもより激しさを増していく。その間の岐阜女子の得点を、クンバのフリースロー1本だけに封じ込めている。

 残り5分11秒、#4山本のジャンプシュートが決まって2点差になったところで、岐阜女子・安江コーチがたまらずタイムアウトを請求するが、流れは変わらない。その直後、桜花学園の#9坂本が岐阜女子のボールをスティールし、速攻で同点にすると、#7藤本から#8伊森への合わせで、ついに逆転に成功する。その後、一度はクンバに同点とされるが、流れはまだ桜花学園に残っており、#7藤本の1対1、3ポイントで、残り1分47秒を残して桜花学園が5点のリードとする。

 このまま桜花学園が押し切るかと思われたが、岐阜女子はここで最後のギアを上げてきた。持ち前のディフェンスでそれ以上の失点を防ぐと、#7クンバ、#5池田が立て続けにシュートを決めて1点差。

 そして残り11秒。桜花学園の#9坂本が痛恨のファウル。岐阜女子#5池田にフリースローを与える。1本目を沈めて同点。2本目。シュートは外れ、リバウンドも桜花学園がおさえるが、ボールが手につかず、おさえようとしたところでその足がエンドラインに触れていた。岐阜女子ボール。


岐阜女子の厳しい守りを受けながらも、桜花の司令塔#4山本麻衣は17得点。今後の課題はさらにチームとして得点力をつけることだ


 岐阜女子は最後のタイムアウトを請求し、#7クンバでの攻撃を指示。桜花学園もそれを読んでいたはずだが、残り7秒、#7クンバは難しい体勢からシュートをねじ込み、バスケットカウントを取る。フリースローこそ外れたが61-59、逆転で岐阜女子が東海大会を制した。

 岐阜女子の安江コーチは「勝因は粘り切ったこと。最後もファウルをせずにディフェンスをして、離されなかったこと」と、やはり自慢のディフェンスに勝機を見出している。「こういうゲームになることはわかっていました。ただ最後の場面、5点ビハインドからひっくり返したことはウチのほうが少し練習を一生懸命やっていた差でしょう」と胸を張る。

 一方の桜花学園・井上コーチは、#5池田のフリースローを呼び込む直前のオフェンスで「#4山本がコントロールできなかったことが敗因。山本に攻めろと指示を出したが、#7藤本に任せてしまった」と言う。山本は「ダブルチームをされて、そのとき#7藤本がノーマークだったのでパスをした」と言うが、勝負の綾とはえてしてそういうものかもしれない。

 ただこの2チーム、このあとも対戦が十分に考えられる。それを両校のコーチともにわかっているのだろう。2人とも今後の課題をあげながら、井上コーチは「手ごたえはあった。インターハイで勝負したい」と言い、安江コーチは「このままだと追いかけているチームが強い。こちらも逃げずにトライしたい」と返す。

 次に当たる可能性があるとすれば、まだ組み合わせは発表されていないが、インターハイの決勝戦だろう。むろんともに勝ち上がることが大前提だが、そうなったときの“第4ラウンド”は、東海大会よりもさらに壮絶な試合になるはずだ。


文・写真/三上 太


昨年から主力の岐阜女子#4石坂ひなた。決勝は6得点をマーク


桜花は終盤、#7藤本愛瑚の連続得点でリードを奪う。藤本は17得点をマーク

◆2017東海大会 【男子決勝】 桜丘を圧倒した中部大第一の強さ

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