2017/06/24

2017北信越大会 【開志国際vs足羽】 ライバル決戦は最後の最後まで“我慢比べ”

ライバル決戦は最後の最後まで“我慢比べ”
エース#4藤永が44得点でとどめを刺す

【北信越★女子決勝】 
  開志国際 84 (24-18、21-15、19-23、26-20) 82  足羽

 開志国際(新潟1位)は、2月の北信越新人戦で#4藤永真悠子(180㎝/3年)、センター#12サンプ・アストゥ(180㎝/2年)の2人がケガのため欠場し、準決勝で敗退した。しかし、その2人が戦列に復帰し、準決勝で仁愛女子(福井2位)に新人戦のリベンジを果たして決勝へと勝ちあがった。一方の足羽(あすわ:福井1位)は、来年の地元国体の中心選手と目されるエースガード竹本結依が2週間前にケガでエントリー変更と、急遽、チーム編成を変えて今大会へと臨んだ。準決勝では津幡(石川1位)に前半競り合ったものの、後半突き放し決戦へと駒を進めた。


優勝した開始国際。キャプテンの#4藤永はスリー、レイアップ、ドライブと多彩な攻撃を見せて44得点と、エースとしての貫録を見せた

 女子決勝戦は、開志国際vs足羽というライバル同士の激突となり、最後の最後までつば競り合いの見応えある一戦となった。

 この顔合わせは昨年と同様。開志国際#4藤永真悠子は、準決勝で痛めた肩をテーピングでがっちり固めて、立ち上がりからスリーポイント、速攻からレイアップ、セットプレイではドライブと見せかけ、#12アストゥへ片手でアシストを繰り出すなどフル回転の働きを見せる。試合は開志国際が主導権を握って先行する。これに対して足羽は、タイムアウトで徹底したボックスアウトからの速い展開に持ち込み、流れを変える。攻めては、控えガード#4灘本陽香(153㎝/3年)のスリーポイントを皮切りに、#5浅野瑛菜(175㎝/3年)の速攻、#14岡戸梨乃(169㎝/2年)のステップインが決まり、前半を39-39のイーブンで折り返す。


足羽は#5浅野瑛菜のみ3年であとは下級生が主力の若いチーム。大会前にエースガードがケガで戦列を離脱したのが痛かった

 勝負の行方は、4Q残り3分を切っても、1分を切ってもわからないハイペースな戦いとなり、“我慢”の展開となる。

 開志国際はこの競り合いの中で2つのポイントから勝利を引き寄せた。一つは、前半当たりの来なかったシューター#8芳賀朱里(168㎝/3年)が土壇場でロングスリーを放ち、落ちたものの手元に戻ってきたボールを躊躇なく放って、そのスリーで同点とする。
 「前半、全然入らなかったけれど、伊藤先生にずっと打ち続けろと言われました。後半1回離れて負けそうになった時勝ちたくて、とにかく決めようと思って、決めるまで打ち続けました」と、#8芳賀は振り返る。


開始国際は1年の#18木村真唯が#17山口里奈とともにいい仕事を見せた

 もう一つは、このしびれるような展開にまったく動じない度胸の良さを見せた開志国際の#17山口里奈(166㎝/1年)、#18木村真唯(158㎝/1年)のルーキーコンビの活躍だ。折尾中時代からのコンビなだけに、阿吽(あうん)の呼吸で息のあったプレーを見せたこの2人のルーキーは、どちらに勝負が転ぶか分からない展開の中でも最後まで動じることなく冷静なプレーを見せた。

 とどめは、開始国際のエース#4藤永のこの試合44得点目となるジャンプショットだった。最後まであきらめない足羽は、ラストチャンスに懸けるが、決まらない。試合は86-84でタイムアップ。開志国際が2年連続2回目、北信越を制した一戦だった。

 1ゴール差の惜敗となった足羽・林慎一郎コーチが語る。
 「しょうがないです。どっちが勝ってもおかしくないゲームでした。たまたま開志はシュートが入ったし。『ドライブだけはやられるな』と言っていて、最後に藤永に1本やられたけど。あとは全部外のシュートだったので、シュートは落ちるから、それを拾って走れ、と。それはうまく行きました。新人戦の時は2人ともケガでいなかった。開志国際は強いとわかっていました。でも、うちは下級生チームだし、よく練習できたかなと思います。ポイントガードの竹本結依が2週間前にケガしたので、今のメンバーではこれが精一杯の力だったかなと思います」 
 林コーチがこう語るように、今年の足羽はスターターに3年は1人だけ。「いい経験が積めた」と、この敗戦をインターハイへの布石ととらえていた。


惜しくも1ゴール差で惜敗となった足羽。#14岡戸梨乃は20得点をマーク

 一方の開志国際・伊藤翔太コーチは、「我慢が課題のチームだったので、最後まで我慢しながら勝ち切れたのがうれしい。今年は(主力のケガなどで)氷河期のような冬を過ごしてきたので、勝てて本当に良かった。インターハイに向けて勢いがつくかな。選手には『ナイスゲーム、今日は喜べ。また明日からインターハイに向けて頑張ろう』と言いました」と、満面の笑顔を見せた。

 勝負どころで同点弾のロングスリーを決めた#8芳賀については、「あの子はシューター。前半入らなかったので『ずっと打ち続けろ。弱気にならずに、必ず入るから。藤永とアストゥが必ずリバウンドを拾ってくれるから』と言っていました。本人も覚悟を決めていたし、チームで取った点だと思います」と語る。
 今年の開志国際は、昨年に比べ、チームが小さくなった。それゆえにディフェンスに力を入れてきたと話す。チームの垂れ幕に掲げた言葉「挑戦者」としてやっていく姿は変わらない。

 下級生時から得点源となりチームを引っ張ってきた#4藤永は、今年はキャプテンとなり、名実ともにエースとしての自覚と意識の変化が見えてきた。言葉で引っ張るタイプではないが、背中でチームを牽引する。目指すは「先輩たちが成し遂げられなかった日本一」と、明確に目標を掲げている。

取材・文/清水広美
写真/若生悠貴


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