2017/07/1

2017近畿大会 【東山vs洛南】 近畿頂上決戦を戦う難しさ

死闘のインターハイ京都府予選から3週間、
近畿頂上決戦を戦う難しさ


京都府予選で厳しい戦いを繰り広げた東山と洛南。近畿の決勝で再び対戦し、東山が74-58で勝利。東山のキャプテン#4鱒拓真

◆近畿大会 男子決勝
 
東山 74(17-9、16-14、18-12、23-23) 58 洛南

 近畿大会の男子決勝戦は、3週間前にも京都府のインターハイ予選で決勝戦を争ったチーム同士の対戦となった。東山と洛南である。京都府男子は全国トップクラスの両校を抱えながら、インターハイに出場できるチームは1チームだけ。互いに死力を尽くしたその試合は【58ー54】で東山が勝利し、インターハイへの切符を手にした。

 長年のライバルに苦しめられた要因を東山の大澤徹也コーチは「洛南のゾーンディフェンスをうまく攻めきれなかったことと、(#9カロンジ・カボンゴ・)パトリックが第1Qでファウルトラブルになって、リズムをつかめなかったこと」を挙げる。

 果たして近畿大会の決勝戦は、それが布石になっても決しておかしくはなかった。しかし、今大会での対戦は両校にとって、誤解を恐れずに書けば、けっして大きな意味を持つものではなかった。


東山は2年の#15クリスティンをスタートに配してゲームに臨んだ

 たとえばこれが異なる府県でインターハイ出場を決めたチーム同士の対戦であれば、インターハイでのシード権を争うという“大義名分”がある。実際に女子の決勝戦は同じ大阪府同士の対戦となったが、両校ともにインターハイ出場を決めているため、試合の勝ち負けとともに、インターハイでのシード権を争う戦いとなった。また自府県を代表して、ある種の名誉のために優勝を勝ち取りたいという名分もある。同じ府県内同士であっても、この大会で勝てばウインターカップに出られるというものでも、ない。

 もちろん全国トップクラスの負けず嫌いたちの集まる両校である。すぐに何かにつながらないとしても、たとえば「負けることが嫌だ」という単純な理由だけでもゲームに熱を与えることはできるはずだ。

 しかし、ゲーム展開はそうならなかった。東山が第1Qで8点のリードを奪うと、第2Q以降、洛南も反撃を試みるのだが、追いつくまでには至らない。洛南の吉田裕司コーチが大会2日目に言っていた、「彼らは今、目標を失っているからね……モチベーションというのかな、それがまだ見いだせていないんだ」という言葉が妙にマッチしたゲーム展開となり、【74-58】で東山が大会連覇を飾った。



インターハイへの道を閉ざされた洛南。近畿大会へのモチベーション維持が難しかったのは想像に難くない。洛南#4大橋大空

 むろん洛南の選手たちも、吉田コーチも、ただ40分を無為に過ごしていたわけではない。
「試合前に吉田先生から『今大会はゾーンディフェンスを使わず、マンツーマンで勝てるように、個々のレベルアップをしよう』と言われていました」
 キャプテンの#4大橋大空(ひろたか)がそう明かしてくれたとおり、洛南はインターハイ予選で使ったゾーンディフェンスを封印し、最後までマンツーマンディフェンスを押し通した。

 オフェンスも吉田コーチがしきりにカットを指示していたように、洛南の代名詞とも言うべき「パスラン攻撃」をことさら強調していた。つまりライバルとの一戦のなかで自分たちのバスケットを取り戻し、そのうえで勝ちたいと考えていたのだ。吉田コーチの横に座る、今年度からアシスタントコーチに入った河合祥樹アシスタントコーチの言葉を借りれば、「小手先だけで勝ちにいこうとはしなかった」わけである。


東山#14小村友貴のレイアップ


洛南#10笹山陸のドライブ

 一方の東山・大澤コーチも、目の前の試合に勝つことだけを考えてはいない。大会を通して、スタメンのセンターに#9パトリック(206㎝/3年)ではなく、2年生の#15グランダマベラ・モンソンボ・クリスティン(205㎝)を起用するなど、インターハイやその後の大会に向けたチームマネジメントを抜かりなく行っていた。

 そのうえでの洛南との決勝戦を、大澤コーチはこう振り返る。
 「洛南は全国でも上位に入れるチームだと思います。その洛南と(1か月で)2試合もできたことは大きな価値があります。インターハイ予選では我慢の展開から勝ち切れたことが自信になるし、近畿大会では相手のマンツーマンに対してピックプレーを使うなど、自分たちの良さを出すことができました。インターハイに向けて、いい材料がそろったと思います」

 いい材料のなかには当然、課題も含まれている。
「これじゃまだダメ。あと(攻撃の)オプションが2つくらいほしいし、もっと走って、80~90点のチームを追求していかなければいけない」
 大澤コーチは最後にそう言って、兜の緒を締め直した。

 インターハイ予選のようなヒリヒリするようなゲーム展開ではなかった。しかし、そこには両校が抱える“今”があり、それとしっかり向き合うことで“次”が見えてくる。その点においては近畿大会の男子決勝戦もまた、十分に見ごたえのあるゲームだった。



文・写真/三上 太


東山のインサイドの要である#9パトリック。インターハイへ向けてこの高さを軸にどれだけ武器を増やせるかだ


洛南で1年ながらスタートを務める#15星川堅信


◆2017近畿大会 【男子結果】

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