2017/08/17

2017インターハイ 【阪南大】 切磋琢磨した盟友の分も奮闘、初のベスト16


阪南大が3回戦で対戦したのは優勝候補の一角だった福岡第一。試合は65-85で福岡第一に振り切られてしまった。福岡第一#24松崎裕樹をマークする#7松田陽

盟友・富田(岐阜)の分も奮闘
大阪を9戦勝ち抜くコツを学び
初の全国ベスト16へ

 3回戦、福岡第一戦を終えた阪南大・森本正コーチから開口一番飛び出したのは、意外なチーム名だった。
 「組み合わせを見た時に、ここ(ベスト16)まで来ようと目標を立てていたので、うれしいんですけど……。実は岐阜の富田高校の村田竜一コーチとは筑波大時代からの知り合いで、毎年、何度も練習試合をして切磋琢磨している仲です。『今年はお互い福島で会おう』と約束していました。だから、いったんは富田の初出場を喜んだのですが、その後、計算間違いから出場が取り消しとなってしまったので、『富田の分まで福岡第一と勝負をするところまで行くぞ!』と、福島に来る前から選手たちにもずっと話していました。その意味では選手たちはよく頑張ってくれたと思います」
 富田の村田コーチには、チームの指導もしてもらったと言う。森本コーチの胸には、辛い体験をした盟友チームへの深い思いがあった。

#4浦野泰斗は13得点、11アシストでチームを牽引した

 阪南大は大阪2位代表で、2度目のインターハイ出場だった。2年前の京都大会のときは無我夢中で、気づいたらインターハイ初出場を決めていた。昨年は「3年生の能力がかなり高かったので、連続出場を狙った」と言うが、それは叶わなかった。

 「今の3年生は、1年の時にインターハイを経験、でも2年では出ることがかなわず、と両方を体験しました。どういうことにこだわっていけば、自分たちにも可能性があるかを3年生が理解し、泥臭いことをやってきました。今年は小さいのでディフェンスにこだわりました。ディフェンスに変化をつけて展開するイメージです。オフェンスも外ばかりにならないように、インサイドにボールを入れてペイントの中で#5中原啓太を中心に勝負をする。小さいチームはボールを回して外からのショットすることが最終的に増えますが、そこを我慢するプレースタイルできました。でも、福岡第一戦はそれが多くなってしまい、ダメでした」
 森本コーチは強豪・福岡第一との対戦をそう振り返る。

激戦の大阪を勝ち抜くチーム力

 大阪で予選を勝ち抜いて全国出場にたどりつくには、一発勝負のトーナメントから決勝リーグを経て、9回は勝ち抜かないといけない。勝つコツはなんだったのか。
 「大学を出て母校の東住吉工業に講師でいた時は、3位にギリギリ滑り込みセーフをしました。その後、初めて阪南大で采配をふるった年は、1回戦を延長で勝ったけれど、2回戦は指導者がいないチームにダブルスコアで敗退。大阪の加盟中学校数はとても多く、現状、いい選手が分散しています。理想的には大阪のどのチームにも通用するようなディフェンス力、オフェンス力を意識してやらないと、『このチームだけに勝つ』バスケットでは、9戦勝たないといけないので難しいです。だから、ある程度、上位層のバスケットを見て、こういうバスケットには弱いかなと考えながら戦ってきました。今年はそれがうまく行ったと思います」と言う森本コーチ。


留学生がいるチームとどう戦うかも、今後の課題となった

 いろんなタイプのチームにも根本でつながる部分がベースにあるので、それにオフェンスを上乗せする。ただ、選手のバスケットIQを見極めないと、指導者の独りよがりのバスケットになってしまう。それだけはしたくない。どこまで選手が理解しているかを見極め、それ以上は要求しないというラインを引く。「それを徹底してやってきた」と森本コーチは語る。
 「例えば、ディフェンスの対応をいくつかやっている時に、生徒たちがジャッジできていないケースも出てくる。5個ある引き出しを3つにする。相手を見た時に3つがあれば攻められるだろうと判断します。そんな感じの線引きをしています」

 阪南大にとっては、今大会のベスト16は最高成績である。次のステップはさらに上位に勝ち進むことだ。
 「全国のトップの世界を選手たちに見せたい。もちろん、今のままでは厳しいです。僕らの時とは違って留学生たちが当たり前のようにいます。それにマッチしたやり方を見つけていかないと。それが大きな課題です」と、森本コーチは語る。 自身の高校時代、東住吉工業では優勝候補の一角にあがり、インターハイでは3位を経験している。


上背はないが、188㎝の#5中原啓太のポストアップを軸にチーム作りを進めてきた阪南大

 キャプテンの#4浦野泰斗に、福岡第一戦では何ができ、何ができなかったのか聞いてみた。
 「向こう(福岡第一)は去年の日本一なんだと、最初に構えてしまいました。一気に出だしの部分でやられてしまい、後半、自分たちのギアを上げていったけれど、遅かった。メンタルの部分で“日本一”に引いてしまい、自分たちのプレーができなかったのが反省点です。ガード陣がドライブからのキックアウトができていなかった。ベスト16はこれまでの最高成績でうれしいけれど、もっと上に行けるチャンスがあったのではないか、そこが甘さだと感じました。僕らは大舞台の経験がない選手が多い。初戦も堅く、気持ちの部分が大阪と全国の舞台は大きく違いました」

 次の目標は当然、ウインターカップになるが、大阪府の代表枠は1つ。夏よりもさらに厳しい戦いになる。1位代表の大阪学院には今季、3戦やって1勝しかしていないからだ。
 「全員が勝ちたいと思っています。大阪で決勝まで勝ち進み、大阪学院を倒したい。まだ達成していない大阪優勝を阪南大に持っていきたい」と、キャプテン浦野は野望を語る。さらに、これかで切磋琢磨してきた盟友チーム富田への思いも話してくれた。
 「富田の村田先生には指導もしていただきました。富田も今は気持ちを切り替えてウインターカップに向けて練習をやっていると聞いています。お互いに代表となって、東京の舞台で会えたらいいなと思っています」
 自分たちは大阪代表として、また富田は岐阜代表として、共に東京体育館に立ち、一戦でも勝ち上がっていくことが目標である。


取材・文/清水広美
写真/一柳英男

阪南大の森本コーチ。自身は東住吉工業でインターハイ3位の実績をもつ

阪南大のモットーは、「バスケットボールを通して、技術の向上・人間性の育成」を目指す

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