2017/09/3

2017インターハイ 【中津北】 初の16強入り、ステップアップしたこの夏

中津北として初めての3回戦だった昭和学院戦。ハドルを組み、心を一つにする中津北のメンバー

145㎝のキャプテン畑中を軸に
スピードとディフェンスで勝負!
中津北が初の16強入り

 その姿はひときわ小柄だった。中津北のキャプテン、145㎝の#4畑中みつみだ。ポイントガードとしてゲームを組み立て、ドライブから味方へアシスト。シュートが外れたら、その小さな身体でリバウンドにも跳び込む。畑中だけではない。中津北は#5東真菜(164㎝)が果敢にドライブでゴールをねらい、必死にボックスアウトに身体を張った。昭和学院(千葉)との3回戦は、高さで上回る昭和が、厳しいディフェンスで中津北の攻撃を封じ、シュート力でも上回って試合を大きくリードした。だが中津北は、最後までアグレッシブにゴールをねらい続けた。最後はキャプテン畑中のブザービーターの3ポイントが見事に決まって50-75。完敗だったが、誰もがやりきったという表情だった。

 「相手は高さも上手さもあるチーム。走られたら不利になると思い、オールコートのゾーンプレスでプレッシャーをかけ、ロースコアの展開に持ち込む作戦でした。でも、トランジションがきかないバスケットは本来の自分たちのスタイルじゃない。逆に前半は相手のディフェンスが厳しく、こちらのボール運びが安定してできなかった。だから、後半は“普段着”のバスケットに戻し、ハーフコートのマンツーマンで勝負。攻めもフリーランスに戻したら、うまくいきだしました」
 そう言って苦笑いするのは、中津北の大津留礎(おおつるもとい)コーチだ。

 キャプテンの畑中は「ハーフでは『まだまだ行ける!』とみんなで話し合い、もう一度、自分たちのバスケットを丁寧にやろうと話しました。それが要所で出せたと思います。特にブレークが出たところは自分たちのバスケットができたと思いますが、前半からそういうバスケットが出来ていたら、もっと勝負ができたかもしれない」と話す。

ポイントゲッターの#5東真菜。164㎝ながらそのパワフルなプレーで得点を量産した

 中津北にとってインターハイは2年連続10回目の出場だ。大津留コーチが赴任して4年目。チームのこれまでの最高成績は2回戦。だが、この夏は初めて3回戦、ベスト16進出を果たすことができた。
 「初めての3回戦という舞台。会場の雰囲気とか、ベスト8を懸けた戦いというのも初めての経験。相手のプレッシャーうんぬんよりも、自分たちがこの雰囲気に慣れていなかった」と大津留コーチは話す。

 だが、ここまでの中津北の戦いは、我慢強いバスケットの連続だった。1回戦の富岡東(徳島)戦は、トランジションの速い展開から主導権を握り、4Qで同点とされながらも、持ち前の粘り強いオフェンスで富岡東を突き放して勝利した。2回戦の松江商業(島根)戦でも、3Q半ばで一度は逆転されたが、#5東、1年の#14森田月海の連続3ポイントで再逆転して逃げ切った。

 チームの軸になっているのは、#4畑中と#5東の2人だ。東は164㎝と大きくはないが、3ポイントやドライブで果敢にゴールにアタックする選手で、チームのポイントゲッターだ。1回戦は35得点、2回戦は29得点を挙げて勝利に貢献した。

 一方、キャプテンの畑中は、145㎝と小柄だが、得意のディフェンスからスティールをねらってブレークに走り、リバウンドにも跳び込む闘志あふれる選手。大津留コーチは、「畑中は4人姉妹。上の2人の姉は前任校(大分鶴崎高校)で指導しました。四女のみつみ選手は中学校のときからキャプテンシーが際立っていたので、中津北でもキャプテンになってほしく、誘いました。選手として状況判断に優れていて頑張り屋。1つ1つの練習を決して手抜きしないし、チームメイトに厳しいことも言える。常に自分たちがやるべき行動、やるべきバスケットが頭の中に描かれている」と、畑中を高く評価する。

 畑中は持ち前の努力で1年の途中からスタートを務めてきたが、145㎝の身長では、マッチアップした相手とはどうしてもミスマッチになってしまう。そのハンディをどう意識しプレーしているのか、畑中に聞いてみた。
 「自分の武器は、スピードとディフェンス力。どの選手とマッチアップしても、ミスマッチになります。当然、相手はそこを突いてきて、中でやられることはずっと経験してきました。だから、相手がボールを持っていたら、常にプレッシャーをかけてスティールをねらっています。ガードにマッチアップすることになるので、苦しいパスをさせることを意識しています」
 昭和学院戦は「全員がミスマッチだった」と畑中は言う。それでもチームは、ディフェンスでプレッシャーをかけ、必死でボックスアウトをして相手に挑んだ。

中津北の司令塔#4中津みつみ。小柄ながら闘志あふれるプレーでチームを引っ張った

 大津留コーチはこの夏を振り返り、「自分たちがやってきたバスケットの方向性が間違っていなかったことを確認できた。今後はもっと精度を上げていくことを目標にしたい。収穫の多い大会だった」と話す。

 その上で、3回戦の昭和学院戦でも顕著になったが、高さ対策はチームの永遠の課題でもある。全国の舞台で戦っていくには、その課題を克服しなくてはならない。
 「冬に向けては、身長が高くなくてもできるインサイドプレーのスキルを、全員で磨いていきたいです。攻めるプレー、守るプレーを。キャプテンの畑中にはもっと自分で攻める選手になってほしい。自分の力を信じ、もっと広い視野で周りを見つめられるとさらにいいガードになっていけるはずですから」(大津留コーチ)

 チームの次なる目標は、ウインターカップでさらに上を目指すことだ。キャプテンの畑中が冬に向けての意気込みを語ってくれた。

「全国大会でベスト8に入るのがチームの目標なので、それが実現できるように頑張りたいです。インターハイで3回戦を戦ってみて、自分がもっと得点が取れるようにならないと、自分にマッチアップする選手がカバーに行ってしまい、自分たちの攻めが守られるのを痛感しました。自分の得点力とチームディフェンスを磨いていくのが課題です。まずはウインターカップに出場できるよう、1つ1つの練習を積み重ねていきたいです」

取材・文/舟山緑
写真/若生悠貴


松江商業戦でも昭和学院戦でもいいつなぎを見せた1年の#14森田月海

ベンチ後方から声援を送り続けた中津北のメンバーたち


中津北の横断幕。今年の3年生によるものだ


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