2017/12/29

ウインターカップ2017【女子決勝】ダブルオーバータイムの激闘を大阪桐蔭が制す

■ 12/28 女子決勝 安城学園 84-86 大阪桐蔭■

 高校バスケットボール史上に残る名勝負となった女子決勝は、大阪桐蔭(大阪)がダブルオーバータイム(再延長)の激闘の末に安城学園(愛知)を下し、初優勝を飾った。2010年に創部以来、チームを指導してきた森田久鶴コーチは、優勝の喜びをこう表現した。

「インターハイ準決勝(岐阜女子戦)で何もできずに負けたことが、ウインターカップに向けてのモチベーションになりました。(準々決勝の)東京成徳戦でゾーンディフェンスが成功し、それが(準決勝の)桜花学園戦でも機能しました。決勝では竹原(レイラ)がおさえられても全員で走って得点しました。この初優勝は全員でつかんだ勝利です」

 森田コーチの口から名前があがったエースセンターの#15竹原レイラは準決勝まで、ゴールから少し離れた位置からふわりと浮かすシュート「ベビーフック」やステップのうまさを武器にインサイドを牛耳った。だが決勝で安城学園はその竹原にボールが入るや、2人がかり、時には3人がかりで見事な対応を見せる。特に前の試合までは交代で入っていた#10深津彩生と#4上村菜々美を同時に器用した「竹原対策」が奏功したように映った。

 攻めては、桜花学園の攻撃リズムを狂わせた大阪桐蔭のマッチアップゾーンも攻略。ちなみにこのディフェンスは、ボールマンが一定エリアに入るや2人がかりではさむように対処する戦術だ。そのディフェンス網を積極果敢に切り裂いた中心人物が、安城学園2年生の#13野口さくら(182㎝)である。

「ゾーンディフェンスのギャップ(人と人との間)を攻めてゴールに向かい、シュートやノーマークになっている選手にパスを出そうと思いました。試合でポイントガードはやったことがなかったけど、少しはチームの助けになったかな…」

 安城学園の金子コーチはウイング(45度の位置)からのスコアラーとしてプレーしていたこの野口を試合途中、ポイントガードにポジションチェンジ。すると巧みなドリブルに加え、視野の広さを感じさせるパスも随所に見せて攻撃を牽引。大阪桐蔭にリードを奪われた延長戦、安城学園が再延長に持ち込む#10深津の得点もこの野口からのパスだ。

 迎えた再延長が始まるや、安城学園が再度#13野口のアシストから#7相澤ひかりが得点をあげ、しかも大阪桐蔭のエースセンター#15竹原が5ファウル退場。この絶対絶命のピンチを救ったのが大阪桐蔭のガード、#6鈴木妃乃である。3Pシュート8本を含む27得点。延長戦に持ち込む3Pシュートも彼女の手から放たれた。そして再延長という疲労度がピークを越えている状況にもかかわらず、ドライブ(ゴールに向かうプレー)から得点を重ね、大阪桐蔭に初優勝をもたらしたのだ。156㎝の#6鈴木が再延長の激闘を振り返る。

「いつもは8本も3Pシュート、入らないです。でも今日は入らなくても打ち続けようと…。3Pシュートもドライブも気持ちで入れました」

 東京体育館が異様な熱気に包まれた女子決勝の名勝負は大阪桐蔭と安城学園、両チームが初めての決勝進出であることを忘れさせていた――。

取材・文/渡辺淳二 写真/一柳英男


シェアはこちらから!!

新着記事

高校バスケ特集企画

トップへ戻る