2018/08/9

インターハイ2018【桜花学園】外から見た井上眞一コーチのすごさとコーチ自身が語る勝因

◆8/6 女子決勝 岐阜女子 61-70 桜花学園

 36年連続36回、桜花学園をインターハイに導き(※名古屋短期大付属高時代を含む)、実に23回の優勝という驚異的な戦績を収めている井上眞一コーチ。全国から有能な選手が集まり、しかも今回はナイジェリアからの留学生・Okonkwo Susan Amaka(以下アマカ)を擁して、昨年の決勝で敗れた相手・岐阜女子(岐阜)にリベンジを果たした。

 御年71歳の名将が感じさせた勝利への飽くなき執念は無論、有能な選手を揃えたことだけではない。それだけで優勝回数を重ねられるほど、バスケットボールという競技は甘くはない。

 井上コーチが大事にする「ファンダメンタル」を選手たちに備えさせる指導が毎年、徹底されていることが結果につながっているのだ。その一端を試合中からはっきりと見て取れる。

 疲れからかディフェンス姿勢が高くなっている選手を見つけるや、試合中に71歳の井上コーチ自らがステイロー(低い姿勢)の姿勢をとり、選手に「ステイロー!」と叫びながらファンダメンタルの徹底を促す。

 インターハイで初めてメンバー入りしたアマカがパスをカットする際にファウルを犯すと、パスコースを遮断するディフェンス技術「ディナイ」の姿勢を見せて、練習で指導したことを思い出させる。ゲーム中に指導するそんな姿にも井上コーチの強い思いを感じた。

 さらにタイムアウトの使い方だ。拮抗した状況でもリードした状況でもタイムアウトをとる。慎重な戦いぶりを印象付けたが狙いは「アマカを休ませることだった」という。そうしてペース配分に成功したアマカが、岐阜女子の留学生2人を相手にしてもコートに立ち続けることができた。いわばゲームプランを遂行するための戦略がはまったということになる。


 では、井上コーチ自身は今大会の勝因をどう分析しているのか。優勝直後に語った言葉を抜粋して紹介したい。

「大会前は選手を叱咤しても、なかなか反応がなく、イライラした時期が続いたのですが、インターハイが始まって、チームの雰囲気を大きく変える試合がありました。2回戦の昭和学院(千葉)戦です。ディフェンスが粘り強くなって、リバウンドも頑張れるようになった…。
 実は昭和学院との試合を迎える前に選手たちに暗示をかけました(笑)。ミーティングでこのように言ったのです。『明らかに今年のチームの力はないけど、大会を通してチームが伸びていった経験が(井上コーチには)ある。一つ一つ勝ち上がってレベルアップするそういうチームになろう』と。そうして逆転勝利につながったことにより、選手たちも自信をつけたようでした。
 私自身の役割はインターハイ2位(準優勝)でもいいから、ファイナルのコートに選手を立たせることだと思っていました。それだけに決勝ではアマカに頼るのではなく、一人一人が積極的に1対1を仕掛けろ、という指示を出し、選手がそのようにプレーしてくれたのです!」

[坂本雅キャプテンのコラムに続く]

文/渡邊淳二 写真/青木優


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