2018/08/13

インターハイ2018【桜花学園】ナイジェリアからの留学生・アマカの素顔

◆8/7 女子決勝 岐阜女子 61-70 桜花学園桜花学園

 インターハイ女子決勝で桜花学園が岐阜女子を下すキーマンとなったのは、ナイジェリアからの留学生・Okonkwo Susan Amaka(以下アマカ)だった。桜花学園が留学生を受け入れるのは初めてではない。1999年から2002年にかけて、河恩珠(ハ・ウンジュ)という韓国からの留学生センターを擁して全国大会優勝を果たしたこともある。彼女はその後、Wリーグでプレーするほどのトッププレーヤーへと成長を遂げたが、今回のアマカとの受け入れには違いがある。河の場合、本人の希望に対して学校が受け入れたのに対し、今回は初めて、桜花学園側から要請した上で受け入れたということだ。

 となると、アマカが来日前から超高校級のセンターだったように感じるが、決してそんなことはなかったようだ。井上眞一コーチが言う。

「チームに入った当初は、こんなふうに(両手をチューリップのような形にして)ボールをキャッチしようとしたり、まるで素人でした。まさか1試合をフルに出られるようになるとは思ってもみなかった。ただ新聞にカタカナで書かれている自分の名前を見て、間違いを指摘するなど頭がいい子です。性格もいいし、仲間ともうまくやっているようです」(井上コーチ)

 ふと、インターハイで秘密兵器として起用するため、東海ブロック大会までエントリーしなかったのではないか、と考えたくもなるが、キャプテンの#4坂本雅のコメントがその勘繰りを打ち消す。

「東海大会が終わった後、インターハイまでの少しの期間ですごく伸びたし、インターハイの試合を通しても成長していることがわかりました。まだ言葉では伝わりにくいところもあるので、私たちが実際にやってみて真似してもらっています」(#4坂本)

 優勝を決めた直後、アマカに近づくと、すでに通訳が帯同してくれていた。ケガが完治せず、今回はエントリーが見送られた2年生・中澤梨南である(※彼女の父親は現役当時、オールジャパンで準優勝を飾ったこともあるチャールズ・ジョンソン)。中澤を介してアマカが言う。

「優勝できてとてもうれしいです。前よりもうまくなりたいと思ってプレーし、井上コーチに言われているとおり、リバウンドを一番頑張ろうと思っています。(井上コーチは)いいコーチですが、ちょっと怖いです(笑)。岐阜女子の8番(イベ・エスター・チカンソ)はナイジェリアで同じチームでプレーしていました。それもあり日本に来ることは大丈夫でしたが、実際に来てみて最初は言葉も難しく、ナイジェリアに帰ったほうがいいかなって思った時もありました。決勝でも岐阜女子のほうがうまいと思ってナーバスになったけど、『大丈夫』って自分に言い聞かせて頑張りました」

 このアマカと選手寮が同室で、自主練習にも一緒に取り組んでいるのが、通訳を務めてくれた中澤である。彼女が言う。

「アマカが東海大会までユニフォームをもらえず、部屋に戻って泣いていたので『インターハイがあるから大丈夫だよ』って慰めました。来た時には何もわからなかったのに、(インターハイに)間に合ってよかったです」(中澤)

 自分自身が試合に出られなかった悔しさを胸にしまい込んで、隣にいるアマカを見つめた――。

文/渡辺淳二 写真/青木優


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