2018/12/29

ウインターカップ2018【桜丘】高校生の大会であることを忘れさせた驚異のスコアラー・富永啓生

    ◆12/29 男子3位決定戦 桜丘 76-65 帝京長岡

    今大会、最も観客を驚かせたのは、高校生の大会であることを忘れさせるパフォーマンスを見せた桜丘(愛知)のエーススコアラー#7 富永啓生だ。

    大会初日からその活躍を物語る数字が並ぶ。

    ・1回戦 対広島皆実(広島)36得点
    ・2回戦 対高知中央(高知)36得点
    ・3回戦 対開志国際(新潟)45得点
    ・4回戦 対実践学園(東京)39得点
    ・準決勝 対福岡第一(福岡)37得点
    ・3位決定戦 対帝京長岡……

    ……と、ここまで書きながら戦況を見つめていると、帝京長岡戦の第1ピリオド終了間際、センターライン手前から放たれたボールがリングに吸い込まれて、武蔵野の森総合スポーツプラザは騒然。どこまで観客を魅了する高校生なのだろう。

    「自分のシュートが入ると盛り上がるし、こんなに人がいると燃える」と、コートを出ると高校生らしさをのぞかせる富永。

    3ポイントシュートのラインから少し離れたところからも難なく決める恐るべきシュート力。相手ディフェンスが間合いをつめて対応してくると、すかさずゴールに向かってドリブル。ディフェンスがコースに入って来ても、するりとロールターンしてリングへとボールを運ぶ。左手のドリブルを中心に使い、緩急をつける独特のリズムは、NBA・ジェームス・ハーデンやマヌ・ジリビリを連想させる。

    そして富永の父・啓之氏が、元日本代表のセンターだったのは、広く知られていることだ。啓之氏も高校時代は洛南(京都)のエースセンターとしてウインターカップの舞台に立っている。ゴール下だけでなく中間距離からのシュートも得意だっただけに、父のシュート力を受け継いだのかな……、女子トップレベルで活躍した母・ひとみさん(旧姓・石橋)に習ったのかな……、いろいろな想像が膨らむ。多くの報道陣に囲まれた富永が語る――。

    「母に教わったというのはないですね(苦笑)小さい頃から父と遊びで暇さえあればバスケットをしていました。一番言われたのは、シュートのフォーム、特にフリースローですね。今日(3位決定戦)は10本中10本決められてよかったです。そして高校では自分が中心のチームなので、どうやったらノーマークになれるかということを考えて練習してきました。ウインターカップに向けて3ポイントシュートだけでなく、ドライブ(ゴールに向かうドリブル)ももっと使えるようになろうと。目標はNBA選手になることなので、もっと3ポイントシュートやドライブの精度を上げることと、フィジカルトレーニングも必要だと感じます。NBAを見てステフィンカリーの3ポイントシュートや、ジェームス・ハーデンのステップバックシュートなどを自分のものにしようとしているんです」


シュートフォームを意識してきた富永。この日もフリースローの決定率100%!

桜丘に入学してからの3年間、富永を指導してきた江﨑悟コーチは、彼の現在地をどう見ているのか――。

「富永がU-18(18歳以下)日本代表に選ばれたことで意識もプレーも大きく成長したことが、チームとして初めて3位に入れた要因だと思っています。シュートは天才的。普通はパスという状況でも、『シュートを決めてこい』と徹底して指導しました。将来、日の丸を背負ってシューターとして活躍してほしいからです。まだ伸びている身長も考慮してトレーニングは控え目にしているので、今後、フィジカルを強くしてディフェンスを身に付けることと、もっとスクリーンを上手に使えるようになってほしい」

富永自身もその点は、自覚しているようだ。

「前半、得点を取れていても、後半に取れなくなる時がよくあります。(敗れた準決勝でも)2人、3人とディフェンスが寄って来た時にタフ(難しい)ショットになって外してしまったので、もっとまわりを生かせるようにならないといけません」

3位決定戦、今大会6試合目ということでさすがに疲れたのだろう、足が痙攣しそうになり、しばらくベンチに座ることを余儀なくされた富永。それでもコートに戻るやボールをゴールに運び、46得点!

高校を卒業後、どんな選手になるのか。3ポイントシューターなのか、スコアラーなのか、ポイントガードなのか、それとも積極的に得点にからむポイントガード「コンボガード」なのか!?

文/渡辺淳二 写真/若生悠貴


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