2019/12/30

【WC2019】福岡第一が福岡県勢同士の対決を制し、2年連続4回目の優勝

■12/29 男子決勝 福岡第一75-68福岡大学附属大濠

 春の九州ブロック大会、今夏のインターハイを福岡第一(福岡)が制したことにより、同校に加えて福岡大学附属大濠と祐誠、福岡県勢が3チーム出場したSoftBankウインターカップ2019(第72回全国高校バスケットボール選手権)。さらに男子の決勝が福岡県勢同士の対決という異例の事態となった。

 昨年の覇者・福岡第一と、2年前のウインターンカップ準決勝で福岡第一を下して以来、同校に敗北を喫している福岡大学附属大濠、自他ともに認めるライバル対決だ。

 準決勝で東山(京都)に逆転勝ちを収めた後、福岡第一・井手口孝コーチはこう語っていた。

「大濠とはすべてを知り尽くしている仲で、福岡県のチーム同士が決勝を戦うというのは歴史的なこと。どちらがこの1年、バスケットにしっかり向き合って来たか見せてほしい」と。一方、「福岡対決だからといって変に力みすぎないようにはしたいのですが、福岡のレベルの高さを決勝のコートの上でめい一杯表現したい」と、宿敵との最終決戦をにらんでいた福岡大学附属大濠・片峯聡太コーチ。

 迎えた決勝、片峯コーチが不安視していたとおり福岡大学附属大濠のシュートに「力み」が見られ、前日までのような正確さを欠く。対する福岡第一は留学生#60クベマジョセフスティーブが攻防に渡ってインサイドを完全に掌握。31得点、20リバウンド、11ブロックとトリプルダブル(3つのプレー部門で二ケタの数字)の活躍で福岡大学附属大濠を引き離した。ワンサイドゲームの気配も漂ったが、そうはさせまいと奮闘する福岡大学附属大濠の姿勢は今大会にかける同校の並々ならぬ気迫を感じさせた。

「たとえ相手にブロックされてもドライブに持ち込む姿に、選手たちの成長を感じた」という片峯コーチ。

 決勝進出の原動力となったディフェンスでも福岡第一のミスを誘い、#4西田公陽の速攻につなげて試合の流れを引き寄せる時間帯も作った。センター#8木林優や#14横地聖真のシュートが#60スティーブにディフェンスされて決まらなくても、#6田邉太一らがオフェンスリバウンドに飛び込む気迫を前面に出して戦い続けたのだ。福岡大学附属大濠は残り3分を残して一桁得点差まで追撃したものの、要所で精度の高いプレーを見せていた#8河村勇輝がフローター(ふわりと浮かした)シュートを決め、福岡決戦の軍配は福岡第一に上がった。河村はこのシュートで10得点となり、13リバウンド、11アシストのトリプルダブルだ。

 最後まであきらめず、試合終了と同時に3ポイントシュートを決めて7点差に追い詰めた福岡大学附属大濠#14横地。終了直後、顔を両手で覆い、敗戦という現実を受け止める彼に駆け寄ったのは他ならぬ福岡第一の留学生#16スティーブだった。そしてコート上のあちらこちらで他の選手たちもハグし合う。自らのチームメートと結果を分かち合う前に、相手と健闘を称え合う光景は、普段からしのぎを削りあって来た同県の決勝戦の象徴的なシーンとしてウインターカップ史に深く刻まれた。

「我々は(福岡大学附属)大濠の背中を追いかけて来てこのようなゲームができて、両チームの選手、すべてにありがとうと言いたい」と喜びをかみしめる福岡第一・井手口孝コーチ。一方の福岡大学附属大濠の片峯聡太コーチは敗因をこう分析する。

「(シードの)福岡第一より1試合多いこともあり、ボールへの反応、連続のジャンプ、コンタクトの強度がやや落ちていたのはあります……。悔しいですけど、ボールへの執着心はこの1年間、一度も福岡第一に及ばなかった。そしてどんな時にもぶれることなくディフェンスを頑張り、ルーズボールに跳び付くような献心さが劣っていました」

 あと一歩届かなかった悔しさを心にしまい込むようにして敗北を認めつつ、ノーシードから勝ち上がる中で成長を遂げた選手たちをこう労った。

「キャリアのない今年の選手たちが大会で一戦一戦、自信をつけました。サイズもあるし能力もある『わがまま集団』から『闘う個性派集団』に変わってくれたと思っています」

文/渡邊淳二 写真/若生悠貴


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