2019/12/30

【WC2019】男子優勝・福岡第一のキャプテン2人が語る「成長できた理由」

 SoftBankウインターカップ2019(第72回全国高校バスケットボール選手権)を制した福岡第一には、2人のキャプテンがいる。そのうち、ゲームキャプテンとして、また司令塔としてチームを優勝に導いたのが#8河村勇輝である。

 卓越したスキルとスピードの緩急を自在にコントロールするプレースタイルは今大会、最も注目を集めたと言っていい。決勝では同じ福岡県内のライバル・福岡大学附属大濠に対し、10得点、13リバウンド、11アシストのトリプルダブル(3つのプレー部門で二ケタの数字)の数字を残した河村。だが、彼は2年前のウインターカップ、すなわち1年生の時、この福岡大学附属大濠に敗北を喫している。

「自分が初めてスターティングメンバーとして出してもらった全国大会で、ゲームコントロールやスキルが足りていなくて負けてしまいました。最後の全国大会に臨んでいた3年生に申し訳なかったですし、自分のプレースタイルをすべて否定されたような思いでした。『大丈夫だ』と確信して使ったスクリーンプレーを止められたのです。3ポイントシュートも10本打って1本も入らず、今までで一番悔しくて、泣きました。『自分はこれから何をしていけばいいんだろう』と……」

 しかし、屈辱的な思いをしたその敗戦が河村にとっては、成長する上での大きなターニングポイントになったようだ。

「当時の先輩たちに『まだまだ、これからあるんだから』と慰められて、『これから全部勝ってやろう』って思ったし、(福岡大学附属)大濠との試合は地区大会、県大会、九州大会、すべて意識するようになりました。あの試合がなかったら、今はなかったと思います」

 だからだろう。福岡第一が優勝を決めた直後、選手たちはチームメートと優勝の喜びを分かち合う前に、福岡大学附属大濠の選手に駆け寄り、お互いの健闘を称え合うというシーンを残した。

「チームメートはもちろん大事ですし、感謝していますけど、今の自分があるのは、しのぎを削り合ってきた大濠の選手たちのおかげでもあります。だからウインターカップ決勝の舞台で最後、戦い合って終われたという思いでいました。勝った自分らが、泣いている彼らに声を掛けるのはよくないと思ったので無言でハグし(抱き合い)ました。ただ最後、2年生の選手に『来年もがんばれよ』って声を掛けたら、『福岡第一を倒します!』って返ってきたので、『やってみろ!!』と言いました」

 高校生年代の日本代表の司令塔としても脚光を浴びたこの河村をパートナーとして支えてきたのが、もう一人のキャプテン#46小川麻斗である。78名の部員で構成された大所帯の福岡第一を2人で牽引。決勝では激しいマークに合う河村の負担を軽減させながら、17得点、11リバウンドと献身的なプレーを見せた。その小川が河村勇輝と過ごした日々をこう振り返る。

「1年生の時、(福岡大学附属)大濠」に敗れた時には、河村の控えだったのですが、僕の力不足で試合に出られず、河村に負担をかけていたんです。あの試合の後、悔しがっている河村を見て、『自分も助けられるプレーヤーになりたい』という思いを強くしました。自分自身はわかりませんが、日本代表からチームに戻ってきた時の河村がすごく成長している、と感じました」

 ライバルに敗れた悔しさをバネに成長した福岡第一の選手たち。福岡大学附属大濠との壮絶なバトルは福岡県内のみならず、全国的に2020年のバスケットボール界を盛り上げることは間違いない!

文/渡邊淳二 写真/若生悠貴


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