2019/12/31

【WC2019】女子優勝・桜花学園のキャプテンが語る「3冠の勝因」

 SoftBankウインターカップ2019(第72回全国高校バスケットボール選手権)の決勝で岐阜女子(岐阜)を下し、3年ぶり22回目の優勝を飾るとともに、今夏のインターハイ、国民体育大会に続く優勝で3冠となった桜花学園。インターハイが5年連続岐阜女子との東海対決となっているだけに常に優勝争いにからんでいる印象があるが、殊、ウインターカップでは昨年まで2年連続で決勝進出を逃している。

 特に昨年は、ナイジェリアからの留学生#10オコンクウォスーザンアマカを擁して地元インターハイを制したにもかわらず、ウインターカップでは準決勝で昭和学院(千葉)に足元をすくわれた。そこからどうやって今年度の3冠に漕ぎつけたのか――。

 キャプテンの#4平下愛佳が言う。

「昨年の昭和学院戦は、(センターの)アマカに頼り過ぎて、外回りの(他の)選手がしっかり役割を果たせていなかった。あの敗戦から『アマカだけに頼るな』と井上(眞一)コーチから言われ続けてきました。アマカにボールを入れることを優先しつつ、相手のディフェンスが寄ったら、外回りの選手が3ポイントシュートやドライブ(ゴールに向かうプレー)を狙うようにしてきたのです」

 そして、2年生のアマカと過ごしてきた日々を次のように思い起こす。

「1年生の時には、『(ナイジェリアに)帰りたい』ってよく泣いていたものです。日本語が通じず、英語のできるチームメートを介してアマカとはコミュニケーションをとっていました。でも彼女も日本語を覚える努力をしてくれて、いろいろなことが理解できるようになりました」

 アマカとのコミュニケーションがスムーズにとれるようになったこともあり、インターハイ、国民体育大会優勝という結果を引き寄せることはできたが、チームの調子が低迷している時期には、井上コーチの矛先が容赦なくキャプテンに向いた。

「私自身、初めてキャプテンをやらせてもらい、チームで一番、声を出すことを意識していたし、練習中にできていないチームメートがいたら、駆け寄って教えるようにはしていました。でも井上コーチにはそれだけでは物足りなかった…。『3年生の考え方が甘い。これでは3冠を狙える雰囲気ではない』って、練習中に帰ってしまったこともあります(苦笑)3年生同士は仲がいいんですけど、時には口げんかになるくらい、きつい口調でミーティングしたこともありました。(ゲームコントロールについて2年生ガードの#9江村優有と)試合前日にオフェンスのセットプレーについて話し合ったり、試合中もフリースローなど時間が止まった時には『次、何やる?』って声を掛け合うようにしました。井上コーチはもっともっと、私たちに話し合ってほしかったんだと思います」

 平下を中心にコミュニケーションを図りながらウインターカップでも順調に勝ち上がった桜花学園だったが、留学生のいる岐阜女子との決勝戦の立ち上がり、相手に主導権を奪われそうになり、井上コーチがすかさずタイムアウトをとるシーンがあった。

「ウインターカップの決勝の舞台で戦いたいという思いで練習してきましたが、特にプレッシャーは感じていませんでした。準決勝までの雰囲気とは違うということもわかっていました。チームメートが雰囲気にのまれず、いいプレーを発揮できるようにキャプテンとして気を配ったし、井上コーチからも『今までどおり自分たちのプレーを、自信を持ってやれ』と言われて、リング(ゴール)に向かうようなプレーができたのだと思います」

 ドライブや速攻だけでなく、3ポイントシュートなどアウトサイドからも相手を攻め立てた平下。試合でのスコアだけでなく、オフコートでもチームを引っ張ったという証を、ウインターカップ優勝、そして3冠という形で結実させた。

文/渡邊淳二 写真/若生悠貴


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