2020/12/30

【WC2020】明成が驚異的な粘りで3年ぶり6回目の優勝

◆男子準決勝 東山 70-72 仙台大学附属明成

SoftBankウインターカップ2020(第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会)の最終日、仙台大学附属明成(宮城/以下明成)対東山(京都)のファイナルは、最後のワンプレーで勝負が決する、まさにバスケットボールの醍醐味が凝縮された一戦となった――。

東山は明成の#8山﨑一渉に連続で得点を許して苦しい立ち上がり。だがタイムアウト後、#8山﨑に自由にプレーさせず、チームディフェンスが機能すると速攻につなげて試合の流れをつかむ。明成#8山﨑とマッチアップしてディフェンスし、速攻で果敢に走ったのが東山#4西部秀馬だ。

「(山﨑は)3ポイントシュートが得意なので、2点のシュートを狙わせるようなディフェンスをした」という#4西部。司令塔#11米須玲音からのパスを#4西部がリングに沈めて勢いづく東山。シュートが外れても、留学生#9ムトンボ・ジャン・ピエール(以下ジャンピエール)がフォローし得点につなげる。後半に入ってからも変わらないその状況に一時は「体を張ったプレーが出ず、あきらめかけた。戦う姿になってほしかった」という明成・佐藤久夫コーチ。

後半開始4分、明成が28-43と15点ビハインドの場面でとったタイムアウト後にゲームが大きく動き出す。前半、まったくシュートが入らなかった明成#10山内ジャヘル琉人の3ポイントシュートや速攻で巻き返す明成。「前半は全然シュートが入らず、佐藤コーチからは『いいから打て、打て』と言われたけど、それでも入らなかった。でも気にせず、ディフェンスで取り戻そうと切り替えた」という。さらに明成がセットのゾーンディフェンスからオールコートのゾーンプレスに変えると、東山はターンオーバー(ミス)を重ねる。東山の司令塔#11米須が言う。

「後半、思っていた以上にディフェンスの圧(プレッシャー)が強く、受け身になってしまいました。僕が1年生の時、福岡第一のプレスディフェンスにやられて以降、練習してきましたが、それとはまた違ったプレスディフェンスで戸惑い、修正できませんでした」

明成・佐藤コーチの狙いはこうだ。

「東山のポイントガード(#11米須)にべたっと付くのではなく、縦にドリブルさせないようにディフェンスしたのが有効だったと思います。それでポイントガードからの展開がなくなり、流れがこちら(明成)に来ました」

攻撃のリズムが悪くても東山は#9ジャンピエールのリバウンドでしのぎ、試合残り16秒のところで得た3本のフリースローを#11米須が冷静に沈めて同点に追い付いた。が、その直後の攻撃で東山のディフェンスに苦しめられていた明成#8山﨑が、自ら放ったシュートミスのリバウンドボールを拾い、そのままシュートを沈めてみせる。さらに東山のラストショットをブロック! 明成に3年ぶり6回目の優勝をもたらした。その#8山﨑がクライマックスシーンを振り返る。

「自分のシュートが入っていなかったのに、佐藤コーチが『動いてパスを受けて勝負していい』と言ってくださった。それで自信を持ってシュートを打てました」

 準決勝で北陸との激戦を制した直後、「自分がエースとして勝負を決めるプレーを求められていた」と語った#8山﨑。ファイナルの決着を付けたシュートにつなげたのは自身のエースとしての自覚であり、また、チームとしての「粘り」でもあった。明成・佐藤コーチにとって、その粘りの意味するところ――。

「頼まれて頑張るのではなく、自らが頑張る力を持ってほしかった。ただ粘る、イコール頑張るではなく、残り時間、点数差を踏まえて一人一人が役割を果たせるように努力し続ける。選手たちは最後のゲームでそこを出してくれました」

福岡第一(福岡)、北陸(福井)、東山と、留学生を擁するチームに劣勢を強いられながら、まさしく「粘り」で覆した明成…。しかしながら佐藤コーチは自ら、こう総括した。

「(コロナ禍の事情で試合ができなかった)開志国際(新潟)と実際に(3回戦で)戦ってみたら、どうなるかわからなかった」

文/渡邉淳二 写真提供/日本バスケットボール協会



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