【WC2020】明成が北陸にリベンジし決勝進出
◆男子準決勝 北陸 58-60 仙台大学附属明成
SoftBankウインターカップ2020(第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会) の6日目、北陸(福井)と仙台大学附属明成(宮城/以下明成)との男子準決勝は終盤までもつれ込む壮絶な展開となった。両者は昨年のインターハイとウインターカップでも対戦しており、ともに北陸が勝利している。
「その時の(悔しい)思いを明成は持っている。強いし、しぶといし、よく鍛えられています。さすが、佐藤(久夫)先生、しつこく戦いますね」と北陸・久井茂稔コーチ。優勝候補の福岡第一との激戦を制した明成の戦いぶりを見て、警戒感をそう口にしていた。
その明成に対して、北陸は勝機を見いだしかけた。今大会屈指のスコアラー#8明成の山﨑一渉に気持ちよくプレーさせないチームディフェンスを発揮する。
「(北陸は)自分に対して体を張ってきたし、留学生の寄りも早くてやりづらかった」と山﨑。
試合前「明成のゾーンディフェンスに対して、速さの持ち味を出して楽しくプレーしたい」と語っていたのは北陸#4土家拓大だ。その言葉を体現するかのように、明成のゾーンの中央にドリブルで侵入しながらバックビハインドパスで1年生の留学生#9ムトンボ・ジャン・ピエールにアシスト。インサイドだけでなく、時にはキックアウト(アウトサイドへのパス)で#6米本信也の3ポイントシュートも引き出した。こうしたバランスのいい攻撃を継続したかったところだが、その頻度が減っていく。明成ゾーン攻略の難しさを口にしたのは、途中からコートに立ったガード#8加藤大成である。
「明成の選手たちはサイズがあって、いつもはオーバーヘッドで(頭上からの速い)パスを回せるのに、バウンドパスになってワンテンポ遅れ、シューター陣に気持ちよくシュートを打たせることが難しかった」
シュートが落ち出す北陸に対し、「ディフェンスやリバウンドで頑張ろうと思った」という明成#8山﨑。
そうして明成が逆転して迎えた試合終了間際、2点ビハインドの場面で北陸のキャプテン#4土家が3ポイントのラストショット…。
「入って、入って、って神頼みでした…」と#4土家。しかし、ボールはリングを弾き、タイムアップ。58―60のワンゴールに北陸は泣いた。それでも#4土家に涙はない。
「ブザーと同時に外れたのを見て、涙が出そうになったけど、泣くわけにはいかない…」
チームメートの頭をなでながら「みんな、顔を上げよう」と声を掛けてまわるキャプテンの姿がそこにはあった。
文/渡邉淳二 写真提供/日本バスケットボール協会
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