【WC2020】随所に見どころがあった強豪対決~安城学園対聖カタリナ学園

◆女子3回戦 聖カタリナ学園 67-93 安城学園
12月23日から29日まで東京体育館をメイン会場に開催されているSoftBankウインターカップ2020(第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会)は大会3日目を迎え、女子はベスト8をかけた激戦が相次いだ。
9時に始まった第1試合――。
上位常連校同士の対決となった安城学園(愛知)と聖カタリナ学園(愛媛)は、予想に違わず、随所に見どころのある展開となった。立ち上がり、アウトサイドからのシュートをコンスタントに決める聖カタリナ学園に対して安城学園は前線からエリアを限定しながら守るゾーンプレスで聖カタリナ学園のリズムを崩しにかかった。
聖カタリナ学園・後藤良太コーチが言う。
「プレスダウン(相手コートにボールを運ぶこと)はできたが、ハーフコートで攻撃する際にあわてているように見えました。(1回戦の県立)西原(沖縄)戦でも同じような状況で、攻撃面の課題として残っていたんです」
体の強さや脚力に例年定評のある聖カタリナ学園のディフェンスに対して、安城学園#7近藤京がスピーディーでしかも伸びのあるドライブで突破。ゲームの流れをぐっと引き寄せる活躍を見せた。
それでも聖カタリナ学園は、#7樫本菜々花の3ポイントシュート(6本を含む24得点)などで勝負の行方を後半に持ち込んだ。
そして後半、ゲームの流れを安城学園に大きく傾けたのが途中からコートに入ったポイントガード#4片山愛悠である。前日の正智深谷戦では2得点だったキャプテンが躍動。アップテンポなゲームコントロールから確実に加点し、強豪対決を制するきっかけを作ったのである。
聖カタリナ学園・後藤コーチは、してやられたり、の複雑の表情で試合を分析してくださった。
「キックアウト(ゴールにドリブルで向かってからのパス)で3ポイントのシュートチャンスをもっと作りたかった。相手のほうが高いのにもかかわらず、無理にゴール近くからシュートを打とうとし、相手にとっていい形でリバウンドを取られて走られてしまいました。その分、自分たちのディフェンス(システム)が機能せず、安城学園のドライブに対するカバーの準備ができなかったのです」
後藤コーチに呼応するかのように「ディフェンスから走る自分たちの展開を、相手にやられてしまったことが悔しい」と語ったのはポイントガードの3年生#5齋藤瑚夏だ。
「私は昨年までほとんど出場時間を得られず、ようやく自分たちの代でプレーできると思ったら、インターハイが(コロナウイルスの影響で)中止。プレーできない悔しさがありました。それだけに今大会で、目標であるメインコートを目指してきたのに、そこに立てなかったことが悔しいです…。でも、この大会は練習の『答え合わせ』。相手にあって自分たちに足りなかったことを後輩たちに備えてほしいです」
涙をぐっとこらえて、この敗戦の意味を自分の中で整理しているかのように彼女は語ってくれた。
文/渡邉淳二 写真提供/日本バスケットボール協会

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