2020/12/26

【WC2020】「いいチーム」から「強いチーム」へ~正智深谷

◆男子3回戦 正智深谷 76-81 九州学院

SoftBankウインターカップ2020(第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会)の大会4日目、男子のベスト8が出揃った。その中で、ウインターカップでは初めてのベスト8を目指して火花を散らしたのが正智深谷(埼玉)と九州学院(熊本)である。

インターハイではベスト4に入ったことがある正智深谷とベスト8に入ったことがある九州学院。両者は昨年のインターハイでも対戦し、その時は九州学院が4点差で勝利したが、今大会では正智深谷が5点差でリベンジ。ウインターカップのメインコートに立つ権利を初めて手中に収めた。

正智深谷・成田靖コーチが感慨深くこう切り出す。

「昨年のインターハイで、九州学院にたくさん引っかけられて(ボールを奪われて)、すごく重い雰囲気で負けました。この1年間は相手にやられたことを意識して練習し、選手たちがしっかりと表現してくれました」

前半はまったくの互角(33-33)。九州学院のスコアラー#7中野友都(3ポイントシュート4本を含む40得点)を中心に攻撃を展開され、さらに課題としていたボール運びにおいても、何度かボールを奪われるシーンがあった。成田コーチが言う。

「激しくボールを取りに来る相手(九州学院)に対して、2、3本取られても『引きずるな』と選手には言いました。こちらも相手に狭いほうへとドリブルをつかせてタフ(難しい)ショットを打たせて、リバウンドからのブレイクを出せばプラスマイナス0(ゼロ)になるから、と」

そうして第3ピリオド早々に3ポイントシュートで主導権を握り、そのまま逃げ切った正智深谷。ウインターカップでも、インターハイでも、ミスの少ない攻防を披露しながら上位進出を阻まれてきた印象がある。思い起こせば、現在NBAで活躍する渡邊雄太が尽誠学園(香川)のエースとしてウインターカップ準優勝を遂げた時も、正智深谷はその尽誠学園をあと一歩のところまで追いつめていたものである。

2012年のインターハイでベスト4に入っていながら上位進出を阻まれてきた正智深谷はいかにしてウインターカップベスト8に漕ぎ付けたのか。成田コーチが言葉を選ぶ――。


「『徹底力』だと思います。ターンオーバーを減らす、リバウンドの手を伸ばす、ディナイの(パスコースを止める)手を挙げる、そうした地味なプレー、一つ一つを徹底し、精度を上げてきました。そうやって『いいチーム』から『強いチーム』になろうしているんです」

さらに九州学院戦の勝因をキャプテン#4太田誠にも聞いてみた。

「(インターハイの九州学院戦では)ターンオーバー(ミス)を30くらいやってしまい、結局、昨年は全国大会で1勝もできなかった。校長先生がわざわざ鹿児島まで来てくださったのに、泣かせてしまったことをすごく申し訳なく思っていたんです。だからあの試合以来、AチームとBチームがバチバチやり合うのが激しくなりました。Bチームも『自分が出るんだ』という気持ちが強いので、BチームのプレッシャーがAチームの力を高めたのだと感じます」

準々決勝の相手は名門・洛南(京都)だ。成田コーチは準々決勝をこう見据えた。

「私はメインコートに立てただけで満足ですが、選手たちは『最終日まで行けるんじゃねぇ?』と言っているので、私ものっかろうと思います(笑) 高さとうまさがある洛南に、うちは強さと速さで勝負に行きます!」

文/渡邉淳二 写真提供/日本バスケットボール協会



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