2017/05/27

めざせ!2017インターハイ 【注目選手】 土家 大輝(福岡大附大濠#12/173㎝/PG/2年)

土家 大輝(福岡大附大濠#12/173㎝/PG/2年)
Daiki TSUCHIYA


5月初旬の能代カップでは、初日にネンザしてしまい、以降はベンチを温める時間が多くなってしまった。右から2人目が土家大輝

悩み抜いたあげくの結論
「俺は俺」と、心機一転で臨む

 2015年の中学3年時にU16アジア選手権出場、全中オールスター岡山選抜で優勝、MVP。ドイツ遠征からそのまま参加した全国中学校大会(岩手)では準優勝と、玉島北中時代(岡山)はエースとして輝かしい成績を残した。さまざまな高校からのオファーを受けた中から、土家が進学を決めたのは高校界屈指の名門・福岡大附大濠だった。決め手となったのは、「西福岡中の中田(嵩基)が一緒にやりたいと言っている」というひと言だった。今まで戦ってきたライバルと一緒にやれたら、と思うと夢は膨らんだ。

 福大大濠に入学し、その中田とチームメイトとなり、「バカなことでも何でも言い合える親友」(中田)になった。しかし、競技面では目標の一つであるスターターではなく、シックスマンとなった。一方ライバルであり親友である中田は、昨年、U18日本代表に飛び級で選ばれた。そんな状況に、土屋のプレイは本来の自信にあふれたプレイからはほど遠いものとなった。壁にぶつかり、悩める日々が続いたのだ。

 「中学時代は壁にぶつかることなんてなかったです(笑)、結果も出ていたから。でも、高校ではまだ結果を出していない。だから、いろいろと考えてしまう。中田が1年からU18に出たこともあり、焦りも正直ありました。自分だけ置いていかれているみたいな感覚で……」と、土家は誰にも言えなかった赤裸々な思いを語る。

 焦燥感にかられ悩む土家の突破口になったのは、ある人からの言葉がけだった。「着地点は今じゃないだろ?」

 「今は、俺は俺。中田は中田。比べないようにしています。比べるとマイナスに考えてしまうので」

 


能代カップではベンチからゲームを観て学ぶ時間が多かった。右から4人目

 今はもう大丈夫。話す言葉も前向きだ。5月初旬の能代カップは、初日にいつもとは反対の左足を捻挫してしまい、以降は欠場するアクシデントはあったが、5月半ばのインターハイ中部予選翌日から復帰した。「やるしかない!」という境地にいる。

 岡山・玉島北中学時代のチームメイトの活躍もよく耳にする。北陸高校に進んだ勝部珠莉輝(かつべじゅりき/177㎝)はスモールセンターながら奮闘している、開志国際のシューターとなった小栗瑛哉(おぐりあきとし/173㎝/SG)をはじめ、岡山県内外に散らばる仲間にも負けたくないし、負けられない。負けず嫌いの土家のベクトルは再び今、上がっている。


福大大濠の選手層は厚い。中学時代に各チームのエースだった選手も多い。そんな厳しい競争の中から自分のポジションを勝ち取るしかない


 今年の福大大濠の選手起用はさまざまだ。状況に応じて1ガード、2ガード、3ガードバージョンと3種類ある。

 「中田が1ガードの時は2フォワード、自分は永野キャプテンと2ガードを組んで速い展開のバスケに持っていく。試合が重い時の最後は3ガードになってオールコートのディフェンスを仕掛ける。やるケースは少ないですが。追い上げの時とか、ゲームが重くて仕方がない時とかにやります」(土家)

 3月の九州新人戦の時は、中田との2ガードの時間も長かったが、うまくいかなかった。相棒の中田が言う。

 「今は土家も壁があると思うけど、スタートが取れなくなったわけでもない。あいつは一番注目されている選手でもあるので、自分も負けずに頑張っていきたい。いつかは2人でチームを引っ張るコンビプレーが自分の頭にはイメージとしてあります」

 「自分にしかできないプレイを追求する。自分のスタイルを磨いて。ドライブからのキックアウトやスリーポイント、ジャンプショットを。与えられたプレイタイムを全力で発揮すれば結果がついてくる」と、土家も信じている。

 福大大濠は、いい意味でも悪い意味でも“タレント集団”と呼ばれる。使える選手が常に8~10人もいるからだ。この5人がベストというのは決まってはいない。

 「中学時代にチームの中心にいた選手ばかり。オフェンスはうまいけど、ディフェンスは周りに任せているケースが多く、まだチーム・ディフェンスが機能していない。一人ひとりが変な欲を出して自分が点を取りたいと思うのではなく、周りに取らせるように、ディフェンスを一番に頑張るよとか、センターに負担をかけないように時間が止まった時に得点や時間を教え、『ディフェンス頑張ろう』と声をかけたり、ディフェンスを頑張れるチームになれたらもっと強くなれると思います」
 土家は今のチームの状況をそう分析する。

 目指しているガード像は、福大大濠のOBである津山尚大(琉球ゴールデンキングス)選手。勝負所でシュートを決められるプレイヤーだ。
 「今年は余分なことを考えずに先生に要求されたことをしっかりやり、コートに出た時は流れを変えられるように心がけています」
 そう話す土家に、もう迷いはない。


取材・文/清水広美
写真/若生悠貴





高校界屈指の名門もこのところ全国優勝からは遠ざかっている。今年が勝負の年になる

※福岡県インターハイ予選は、5月27日(土)、28日(日)、6月3日(土)、4日(日)、飯塚市にて開催。
※九州ブロック大会は、6月24日(土)、25日(日)、福岡市で開催。

◆次回の「注目選手」の紹介予定
 
 ◇星野京介(中部大第一#4/182㎝/SF/2年)……5月28日掲載予

◆注目選手◆バックナンバー
 ◇津田 誠人 (洛南 #6/192㎝/F/3年)
 
◇星川 堅信 (洛南 #15/188㎝/SF/1年)
 
◇伊藤 領  (開志国際 #4/180㎝/G/3年)
 ◇和田 蓮太郎 (開志国際#13/197㎝/SF/2年)
 ◇児玉 海渡 (能代工業#5/184㎝/F/3年)
 ◇新田 由直 (能代工業#6/188㎝/PF/2年)
 ◇保泉 遼 (市立船橋#4/181㎝/SG/3年)
 ◇野崎 由之 (市立船橋#7/180㎝/SF/3年)
 ◇中田 嵩基 (福岡大附大濠#13/173㎝/PG/2年)

◆能代カップのレポート、結果などはこちら
◆能代カップで光ったルーキーたち01、02はこちら


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