2017/05/26

めざせ!2017インターハイ 【注目選手】 中田 嵩基 (福岡大附大濠#13/173㎝/PG/2年)

中田 嵩基 (福岡大附大濠#13/173㎝/PG/2年)
Shuki NAKATA


「試合で緊張したことがない」と話す中田嵩基。試合度胸は満点だ。写真は能代カップの明成戦より

U19代表候補でもある小型ポイントガード。
冷静さを武器に攻撃のタイミングを図る

 昨年、イランで開催されたU18男子アジア選手権にメンバー最年少、高1で参加した中田嵩基。準決勝のレバノン戦、決勝のイラン戦ともに5分弱のプレイタイムではあったが、コートで経験を積んだ。特に、開催国イランとの決勝の興奮は今も忘れられないと話す。

 「決勝で地元イランと対戦したときの会場の地鳴りがすごくて、これが“戦い”なのか! と思いました。ブーーッ!! という体育館中に響きわたるブーイングが終始すごくて、それを聞いた瞬間、気持ちが良かったです(笑)。ある意味、高揚感というか、ゾクゾクする興奮でした」(中田)

 試合はネットでライブ中継され、ブーイングの様子は映像を通しても凄まじいものだった。それだけに現場で体感した選手たちのプレッシャーは想像を絶する。国内ゲームとはまた違う、国際ゲームならではホームタウンデシジョンの洗礼を受けた形だ。だが、中田はむしろそれを自分のモチベーションにしていた。

 「その雰囲気たるや、もの凄かったです。ただ、そんな状況でも必要以上に緊張はしませんでした。あんまり緊張したことがないんです」と笑う中田。

 だからなのか、国内での試合でどんな場面に陥っても、中田の表情に焦りは浮かばない。常に自然体で、平常心を崩さない。5月初旬の能代カップでも、ゲーム終盤で相手がオールコートプレスを厳しく仕掛けてきた際も、冷静に対処していた。例えチームメイトがミスをしても、顔色一つ変えない。図太い神経という、ガードに求められる必須条件を中田はすでに身につけているのだ。

 中田は、7月にエジプト・カイロで開催される「FIBA U19ワールドカップ2017 」の日本代表候補メンバーだ。福大大濠にとっては「うれし、かなしい」(片峯コーチ)状況であることは間違いない。2年の中田の他に、1年の横地聖真と西田公陽もU16日本代表のため、この3人は今後の代表合宿などでインターハイ福岡県予選や九州大会を抜けることが多くなる。特に中田は、県大会決勝リーグ(6月3ー4日)と九州大会(6月24ー25日)の際にチームを離れることになる。それを想定して、能代カップでは片峯聡太コーチがガード陣をさまざまなシチュエーションで起用していた。

 「1年の時は兒玉修さん(現・大東文化大1年)のバックアップとして試合に出ていました。今回は、スタートのガードとしてチームを引っ張っていかなければならない。その面でプレーもですが、声を出したり、周りに気を遣うガードになっていきたい。自分が出る時は1ガード、2ガードのバージョンがあり、いざという時は3ガードというシチュエーションもあり、いろんな場面を想定してチームでは練習をしています。それとアンダーの代表はレベルが高いので、一瞬でも気を抜くとボールを取られたり、すごく神経をすり減らします。武者修行じゃないですけど、代表チームは、チャレンジして成長する場だと思っています」と話す中田。


 姉の影響で直方市・福地小1年からミニバスを始め、小3まで福地クラブ、4〜6年は植木クラブに所属。福岡の強豪・西福岡中3年のときはキャプテンを務めた。現在は同期の相棒である#12土家大輝とともに、2年の司令塔として3年の先輩たちにも臆することなく積極的に指示を出している。


司令塔としてゲームをつくり、味方をどう使っていけるのか、中田の成長がチームの大きな武器にもなってくる

  目指すガード像はどんな選手なのか、中田に聞いてみた。

 「本来、自分は攻めたい派。でも、それが通用するかというと、高校では外国人留学生もいる中では厳しい。だから、仲間がどうやったら攻めやすいかを一番に考え、目標にしています。今、チームがどういう状態であるかを把握し、それを片峯先生とコミュニケーションを取れるのが自分の強み。これからは、さらに取れる時は得点を取り、やるべき時にやるそのタイミングを覚えていきたいと思っています」

 周りにボールを配るのはガードの仕事だ。「横地とかいいフォワードも入ってきたので、それを生かしながら自分でもどれだけからんでいけるか。得点が取れない時に自分が犠牲になっていけるか。犠牲の心をしっかり持ってプレイしたい」とも口にする。


 気になる選手は「真っ先に浮かぶのは、一つ上の伊藤領(開志国際)さん。あの人がU18代表のスタートでチームを引っ張っていたのを身近で見てきましたから。自チームでは2番もやったりするでしょうけど、すごいなぁと尊敬しています」。

 6月の九州大会は、インターハイの第1シード権がかかる大事な大会だが、前述したとおり、中田がU19代表に入れば欠場することになる。だからこそ、能代カップはインターハイの前哨戦だと思って臨んだと言う。「全国区のチームとどれだけやれるかが、試したいとプレイしました。能代カップは一番成長できるカップ戦だと思っています」

 福大大濠のチーム全員がそろうのはインターハイ本番となる。昨年は無念の1回戦敗退で試合にも出場はかなわなかった。中田にとって今大会が初参加となる福島でのインターハイ。中田のさらなる進化が楽しみだ。


U19やU16日本代表メンバーがいる福大大濠。代表合宿などで主力が欠けることも多い


シックスマンとしてインサイドで奮闘した3年の#8中崎圭斗(192㎝)

※福岡県インターハイ予選は、5月27日(土)、28日(日)、6月3日(土)、4日(日)、飯塚市にて開催。
※九州ブロック大会は、6月24日(土)、25日(日)、福岡市で開催。

◆次回の「注目選手」の紹介予定
 
 ◇土家大輝(福岡大附大濠#12/173㎝/PG/2年)……5月27日掲載予

◆注目選手◆バックナンバー
 ◇津田 誠人 (洛南 #6/192㎝/F/3年)
 
◇星川 堅信 (洛南 #15/188㎝/SF/1年)
 
◇伊藤 領  (開志国際 #4/180㎝/G/3年)
 ◇和田 蓮太郎 (開志国際#13/197㎝/SF/2年)
 ◇児玉 海渡 (能代工業#5/184㎝/F/3年)
 ◇新田 由直 (能代工業#6/188㎝/PF/2年)
 ◇保泉 遼 (市立船橋#4/181㎝/SG/3年)
 ◇野崎 由之 (市立船橋#7/180㎝/SF/3年)

◆能代カップのレポート、結果などはこちら
◆能代カップで光ったルーキーたち01、02はこちら

取材・文/清水広美
写真/若生悠貴

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