2017/05/19

めざせ!2017インターハイ 【注目選手】 伊藤 領(開志国際#4/180cm/G/3年)

伊藤 領(開志国際 #4/180cm/G/3年)
Rei ITO


右膝のケガから復帰して元気なプレーを見せた開志国際の司令塔・伊藤領(能代カップ:洛南戦より)

鮮やかで巧みなアシストパスが魅力
富樫コーチの懐刀としての司令塔が復活!

 開志国際の伊藤領にとって、5月の能代カップは実に半年ぶりのゲームだった。昨年10月に膝蓋骨骨折で手術。今も膝には2本のボルトが入っている。バスケットボールと離れた生活を送ったのは約半年、小1から関わってきたバスケ人生で初めてのことだ。去年のウインターカップ新潟県予選では松葉杖姿だった。2月の北信越新人戦の時にはキャプテンでありながら、マネジャー登録でベンチに入った。開志国際・富樫英樹コーチも「あとは領の心の戦い。痛みはよくなってきている」と、能代カップでは緒戦からスターターとして起用した。

 バスケットはガードでこんなにも変わるのか、と思わずにはいられない。伊藤のパスは大向こうを唸らせた。特に、長身の留学生へのアシストは絶品だった。速い球出し。誰にもカットできないコースに縦パスを出し、4月に入学したばかりの#14ジョフ・ユセフ(202㎝)を走らせた。「相手の身長を考え、一番シュートしやすいポイントに投げてしまえば、能力があるので取ってくれると信じていた」と話す伊藤。セットプレイでも、ディフェンスが届かない場所にピンポイントでパスを落とす。


味方への巧みなアシストパスが光る伊藤だが、自らも果敢にゴールにアタックする

 開志国際に入学した直後からポイントガードとして起用され、U18日本代表でも欠かせぬ司令塔として活躍した伊藤ならではのプレーが戻ってきた。能代カップでの戦いぶりは、復活の狼煙(のろし)となるアシストの数々で、実に鮮やかで巧みだった。

 「あとはチームから半年も離れてコートの外にいたという事実。まずは自分のプレーを戻しつつ、チームとコミュニケーションを取りつつやっています。まだできていない部分があるので、自分のプレーの幅を広げつつやっていきたい」と、伊藤は自分のプレーを冷静に見つめていた。

 伊藤のカムバックには、富樫コーチも慎重を期している。能代カップ2日目の中部大第一戦では“ももかん”が入り、大腿部を痛めたために以降の試合はベンチに温存。不安は、試合の体力が戻っていないことだった。後半になるとプレーが重くなるという部分はあるものの、本人はもっとコートに出たいという焦りを感じていた。しかし、今は我慢の時だ。

今、富樫コーチから求められていることも、伊藤は明確に認識している。

 「チームをまとめるガードがいない。まずはチームをしっかりまとめること。シューターは別にいる。自分はドライブが持ち味なので、今はインサイドばかりの得点になっている部分を、もう少しコートを広く使ったバスケがしたい」(伊藤)

 開志国際は創部4年目と若いチームだ。これまでチームを支えた1期生がこの春に卒業、チームは当然変わった。去年の3年生と比べたらチームとしての力がまだ足りない。伊藤も「競った時にベンチを含め、みんなで頑張れたら」と、チーム力の大切さが重要だと強く感じている。

 気になる選手は、「大倉颯太(北陸学院:石川)と二上耀(北陸:福井)。県が近いし、北信越(6月のブロック大会)でも当たる。エースとしてみんな頑張っていて刺激になるし、早く追いつかなきゃと思っています。中部大第一の星野京介(#4/182㎝/SF/3年)と坂本聖芽(#5/181㎝/SG/3年)の2人は個人の能力も高く、気にかけている選手。福大大濠はみんな能力があって、気にかけているチーム。次にやる機会があればしっかり挑戦したい」と話す。

 目標は、「日本人だったら、富樫勇樹さん。ゲームメイクがしっかりできて、得点できるのは自分の中の理想。NBAだったら、高校のうちはガードであってもポストアップとかできるので、ドウェイン・ウエイド(シカゴ・ブルズ)をよく見ています」。

 開志国際にとって6月4日が勝負の日だ。この日は、新潟県のインターハイ予選の最終日。今年もおそらく帝京長岡と一騎打ちになると見られている。

 「県予選までまだ少しあるので、強化、てこ入れしたい。帝京長岡さんはディフェンスの張りがすごい。それに負けない個人の力、ハンドリングを高めたい。個の力が高まれば、同時にチーム力も高まるしうまくいく。まだ、チームディフェンスが甘くなる時があるので、後半の体力をつけて太打ちできたら」と、伊藤はその勝負の時をにらむ。

 新潟県予選で代表を勝ち取り、全国への扉を切り開けるか。富樫コーチの懐刀(ふところがたな)としての輝きを、伊藤自身が取り戻せるかに注目が集まっている。


全国で上位をめざすには、まずは新潟県予選を勝ち抜かねばならない


新留学生の#14ジョフ・ユセフは、司令塔の伊藤にとっても自分のポテンシャルを引き出してくれる大きな存在になりつつある


※新潟県インターハイ予選(男子)は、5月26日(水)~28日(金)・6月4日(日)の日程。
※北信越ブロック大会は、6月16日(金)・17日(土)・18日(日) 新潟市で開催。


※「注目選手」の次の紹介は、以下の予定です。
 ◇和田 蓮太郎 (開志国際 #13/197cm/SF/2年)選手…… (5月20日掲載)
 ◇児玉海渡 (能代工業 #5/184㎝/PF/3年)選手……(5月21日掲載)
 ◇新田由直 (能代工業 #6/188㎝/PF/2年)選手……(5月22日掲載)

◆注目選手◆バックナンバー
 
◇津田誠人 (洛南 #6/192㎝/F/3年)
 
◇星川堅信 (洛南 #15/188㎝/SF/1年)

◆能代カップのレポート、結果などはこちら
◆能代カップで光ったルーキーたち01、02はこちら

取材・文/清水広美
写真/若生悠貴

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