2017/05/23

めざせ!2017インターハイ 【注目選手】 保泉 遼(市立船橋#4/181㎝/SG/3年)

保泉 遼(市立船橋#4/181㎝/SG/3年)
Ryo HOIZUMI

ストイックなスリーポイントシューター
落ち込んだ調子を“整える術”を知る

 今年の市立船橋は、#4保泉遼と#7野崎由之(180㎝/3年)の両ウイングのシューターが二枚看板だ。とりわけ、昨年からエースシューターとして頭角を現してきた保泉は、今年はキャプテンも務めるチームの“顔”だ。しかし、能代カップ前は「練習試合でシュートがエアボールになるほど落ちていた」と言う。

 「あいつは真面目すぎて開き直りができない。一度、調子が落ちると器用ではないので他のことを頑張ってなかなか自分を上げることができなかった」と、もう一人のシューター野崎が言うほど落ち込んでいた。

 それは近藤義之コーチも計算ずみだった。チームは、能代カップが終わった直後に関東大会の千葉県予選が3日間控えていた。だから、千葉県予選のために能代カップ前を追い込む時期としてとらえていた。近藤コーチが言う。

 「保泉があれだけ崩れたのは狙いどおり。僕と一緒で考えすぎて、考え込んでしまうタイプだから。夜も電話で『とにかくお前は4番だ』と話をしました。ただのシューターではないのだからと。プレイタイムも長いし、活躍の仕方はいろいろある。例えば、リバウンドで活躍するとか、ディフェンスで活躍するとか、シュートが入らなくても他で調子を上げていくことはできると。シュートが落ちたことはあまり気にするなと、夜になるとそう声をかけていました。一方で、日中はあいつを陥れるためにいろんなことを言っていた。ちょうど“ジキルとハイド”のようになってましたね(苦笑)。だけど、(能代カップで)試合を見ていたら、その言葉がちゃんとあいつの中に入っていたのがよく分かりました」

 確かに能代カップでは、保泉はリバウンドにとにかく食らいついていた。#14兼重パトリックや#5庄司理宇が2mクラスの選手と心中するようにリバウンドに飛び込むと、転がったルーズボールには反応ができない。だが、他の選手がリバウンドやこぼれ球を拾えれば、チームとしていい流れになる。だから、保泉自身もリバウンドに飛び込むことで、自分の調子を上げ、それをシュートに結び付けていった。その結果、「能代カップに入ってからは、調子が上がっていった」と言うように、自分でも納得のいくプレイを披露した。

 「大会前は調子を落としていたので、声でチームを引っ張りきれず、近藤先生と何回も話をしました。だから能代カップでは、まず自分でできるとこをやろうと思って、得点だけでなく、得点以外に泥臭いことでチームを引っ張る姿を見せて勝たせられればいいとゲームに臨みました」

 シュートにこだわらず、それ以外のところで踏ん張るというその姿勢が、功を奏した。「大会中もプレイに迷いがあり、先生からも『気持ちが弱い』と言われましたが、そこはリバウンドやルーズボールでガッツを見せて気持ちを上げられるようにしました」(保泉)

 シューターとしての矜持(きょうじ)も強く持っている。「自分のリズムで打つ、時間が少なくなった時は絶対に自分がボールをもらって打つ。そして最後は自分で決める」――エースシューターとして常に意識していることだ。


能代カップでは得点以外のところで我慢強くプレイすることで、調子を取り戻していった

 得点力の高いシューターゆえに、相手チームからフェイスガードで守られることも多い。そんな時は味方にスクリーンをかけたり、逆にスクリーンを使ってシュートが打てる位置に動いたりと、相手の裏をかくようにしている。最近はポストアップして得点が取れるような練習も取り入れ、いかに相手をあざむくかの動きを研究している。 

 目標としている選手は、シュートもドリブルもパスもうまい、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステファン・カリーだ。課題は「リーダーシップと調子の波を作らないこと」を意識している。

 1年の時から朝一番に登校して体育館の鍵をあけ、夜は最後に体育館の鍵を閉めるのが日課という練習の虫だ。「今は1年生も早く登校してくるので、そこは負けないようにしている」と笑う。

 去年まではシューティングで200本インがノルマだった。だが、課題である当たり負けしない身体づくりのために、最近はウエイトトレーニングを朝練のメニューに取り入れ、シューティングは100本インを目安にしている。
 ストイックなシューターは、自分の武器磨きにまだまだ余念がない。


保泉とともにシューターとしてチームを牽引する#7野崎由之


チームは能代カップを1日早く終え、関東大会千葉県予選に臨んだ。結果は見事に千葉1位代表で関東大会出場を決めた

※千葉県インターハイ予選は、6月17日(土)、18日(日)、23日(金)、24日(土)、八千代市で開催。
※関東男子ブロック大会は、6月3日(土)、4日(日) 東京体育館(東京都渋谷区千駄ヶ谷)で開催。

◇関東大会男子の組み合わせなどはこちら

◆次回の「注目選手」の紹介予定
 
 ◇野崎由之(市立船橋#7/180㎝/SF/3年)……5月24日掲載予

◆注目選手◆バックナンバー
 
◇津田誠人 (洛南 #6/192㎝/F/3年)
 
◇星川堅信 (洛南 #15/188㎝/SF/1年)
 
◇伊藤 領  (開志国際 #4/180㎝/G/3年)
 ◇和田蓮太郎 (開志国際#13/197㎝/SF/2年)
 ◇児玉海渡 (能代工業#5/184㎝/F/3年)
 
◇新田由直 (能代工業#6/188㎝/PF/2年)

◆能代カップのレポート、結果などはこちら
◆能代カップで光ったルーキーたち01、02はこちら

取材・文/清水広美
写真/若生悠貴

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