2017インターハイ 【注目選手】 山本 麻衣(桜花学園#4/163㎝/PG/3年)
山本麻衣(桜花学園#4/163㎝/PG/3年)
Mai YAMAMOTO
桜花学園は昨年までチームの柱だったセンターの馬瓜ステファニーがこの春に卒業。今年は司令塔の#4山本が文字通りチームを大きく引っ張っている
今年の注目度ナンバーワン・プレーヤー。
インターハイへ雪辱を期す桜花の司令塔
あふれる涙が止まらないのは、同じ相手に3連敗したからか、それともキャプテンとして、エースガードとして駆られた自責の念からか。たぶんその両方だろう。
1年生のときからスーパールーキーとして、“あの”桜花学園の司令塔を任された山本麻衣は、当然3年生になった今年、自分たちも多くの先輩たちと同じように常勝の道を歩みたいと考えていた。しかし、2月の東海新人、3月の全関西(広島)ともに岐阜女子に敗れている。東海大会(6月18日)の決勝戦も、相手は同じ岐阜女子である。3度目の正直か、2度あることは3度あるのか――。
結論から言えば後者で、桜花学園は2点差で敗れた。むろん以前の2試合とは展開が異なる。最大14得点差を追いつき、追い抜いた経緯がある。しかし、試合が終わってみれば、またも後塵(こうじん)を拝しているのは自分たちなのだ。
「勝負どころのシュートを、相手はクンバ(#7バイ・クンバ・ディヤサン/190㎝)が決めてきたのに対して、自分は得点こそ取っているけど、勝負どころで落としてしまっている。最後の場面でのゲームコントロールもできなくて……まだまだです」
そう言って、山本は目を潤ませる。
インターハイ本番までにいかにチーム力をアップさせられるか。桜花#4山本も司令塔としてのゲームメイク、そして得点力、精神面の強化が課題となる
岐阜女子との決勝戦の最終盤、同点の場面で、井上眞一コーチが指示したのは「山本のところで攻めろ」だった。しかし、ダブルチームをされた山本はパスを選択。結果としてパスを受けた選手がミスを犯し、相手ボールになって逆転を喫する。パスのシーンだけを切り取れば、山本の状況判断は正しい。しかし、先のことを考え、山本が2人を突破する姿勢を見せれば、相手に与える印象も異なってくる。山本が精神的に一皮むけてきた、要注意だと。それができなかった。
「インターハイに向けて自分自身の課題は、気持ちの面が一番大きいです。そのうえで勝負どころのシュートを決めたり、先生の言っていることを理解しつつ、ゲームの流れにあったプレーを選択できるようにしたい」
今年度の女子注目ナンバーワン・プレイヤーは、3度の敗戦と悔し涙を、自らをより高めるカンフル剤にして、最後のインターハイに臨む。
文・写真/三上 太
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