2017/05/29

めざせ!2017インターハイ 【注目選手】 星野京介(中部大第一#4/182㎝/SF/3年)

星野京介(中部大第一#4/182㎝/SF/3年) 
Kyosuke HOSHINO


中部大第一のシューター#4星野京介。今年はキャプテンとしてチームを引っ張る重責も担っている。写真は能代カップより


先輩の一言から生まれた“高速リリース”
シューター星野の最大の武器はスリーポイント

 中部大第一は、昨年から#4星野京介と#5坂本聖芽のシューターコンビがその威力を見せつけている。今でこそシューターとして一目置かれるキャプテンの星野だが、中学時代は無名だった。三重県桑名市・光風中時代は県選抜にも入れなかった。「それを見返すために中部大第一入りを決めた」と星野は言う。入学後は、1年から坂本とともに2人だけベンチ入りはしたものの、「少しシュートが入るかなぐらいの選手」(星野)だった。

 星野の転機は、1年のウインターカップの少し前だった。中部大第一の部訓は“絆支(きずなささえ)”。メンバーに入らなかった選手は、自分がやるべきことを考える。大会を前にして当時、ベンチ入りできなかった3年の大川翔(おおかわ かける)は、後輩を指導するのが自分の役目だと考え、1年の星野に声をかけた。 「リリースがもっと速くなったら相手の脅威になるかもしれない。それを練習してみろ」。この一言がターニングポイントとなった。大川の指導は、助言をするだけでは終わらなかった。
 「一緒に自主練につきあってくれ、リバウンドも拾ってくれて自分を育ててくれました。それから自分の中でキャッチ&シュートが得意になり、試合でも少しずつ決まるようになりました」

 星野は、自分の武器となった“高速リリース”のきっかけをくれ、3年でありながらリバウンドまで拾ってくれた先輩に心から感謝している。まさに、“絆支”の精神のたまものだった。チームもまた、このウインターカップで大躍進を遂げた。緒戦で優勝候補の一角である福岡大附大濠に勝ち、初の全国ベスト4に駆け上がったのだ。


リリースの速いシュートで得点を量産する星野

 以後、星野の成長はめざましかった。2年の昨年はチームメイトのケガでコートに出るきっかけをつかんだ。星野のクイックリリースのスリーポイントは、インターハイ、国体とメキメキと磨きがかかり、坂本聖芽とともに注目を集めていった。オールジャパンの愛知県予選では、社会人チームとの対戦で、スリーポイント10本を含む36得点と自己ベストスコアを叩き出した。シュートのイメージは、何回も繰り返し見たゴールデンステイト・ウォリアーズのステファン・カリーのシュートだった。

 1年のウンターカップで4強入りした中部大第一だったが、昨年は、インターハイ、ウインターカップともに優勝した福岡第一の前に敗れている。常田健コーチは、星野のシュート力を高く評価しながらも、それが星野一人の力ではないことも明言する。

 「これまで中部大第一の中では、卒業生の宇都(直輝/富山グラウジーズ)は、どちらかというとドライブが得意だった。一番のシューターは、シューター気質でいうと星野だと思う。崩れて入らない時もあるけれど、賢い子なんで、動きすぎないこととタイミング、間合いとか迷わない時はすごくいいものがある。ただし……」と常田コーチの言葉は続く。

 「去年3年だった上澤俊喜、ディクソン・タリキ、王佛嘉たちが献身的なディフェンスをして、外角のあの2人に気持ち良くシュートを打たせていたことを忘れてはいけない」と、付け加える。


今年はスタートに3年が星野と坂本の2人。あとは下級生。キャプテンとしてどうチームをまとめていくかも課題になっている


 中部大第一が全国大会で上位に駆け上がったのも、その献身的なディフェンス力があったからだと言及する。そして今年、星野たちに求められているのも、そのディフェンスにほかならない。

 「去年は福岡第一に2回とも負けて、悔しい思いを特に聖芽と2人でしました。練習から日本一になるためにどうしていけばいいか、その覚悟がないとコーチから怒られています。もっと、自分がキャプテンとしてしっかりすればチームもまとまるはず。もっと全員が覚悟を持ったディフェンスをしなくては」と、星野は自分たちの課題をそう分析する。

 今年の中部大第一は、これまでとは逆に、2人以外は下級生のチームで、今度は2人が後輩を支える番なのだ。1年のセンターのバトゥマニ・クリバリ(205㎝)は、日本に来たばかりの留学生のため、丁寧にコミュニケーションをとらないとわからないことも多い。
「常田コーチからは、練習では2年のブバカー・ンディアイエ(202㎝)が一緒にいてやっているけど、試合になればコートでは1人になる。だからこそ、自分たちからこうしてほしいと伝え、向こうの要求もしっかり聞くようにと言われています」


高さのある留学生は強力な戦力。コミュニケーションも課題になっている

 能代カップの初日はオフェンスの調子が上がらず、迷いが見えた。常田コーチからは何度も「お前の仕事はなんだ? お前と坂本の仕事は点取ることやろ!」と、檄(げき)が飛んだ。シュートの調子が上がらずに、ベンチに戻されることもしばしばだった。だが、大会2日目の開志国際戦では、シュートが当たらない中でも、ディフェンスやリバウンドの部分で貢献することによってシュートが上向き、試合も76-71と競り勝てた。

 5月27日に終了したインターハイの愛知県予選でも、調子が上がらなかったが、「ディフェンスで相手の失点を抑えることを徹底していたら、いつのまにか調子が上がってきた」と話す。決勝の桜丘戦では1Qでスリーポイント5本と、当たりが蘇ってきた。トータルで30分のプレイタイムでスリー7本を含む27得点の活躍だった。

 気になっている選手は、同じシューター陣だ。市船橋でキャプテンを務める#4保泉遼。目標としているのは、川崎ブレイブサンダースの#7辻直人選手だ。「キャッチ&シュートがうまくて体幹が強いから、当たられた時もぶれない。辻さんのようにハンドリングもよくて、そういう選手になりたい」と願う。

 「あとは東海大会(6月17-18日)を制して、インターハイです。チームが思い切りできている時は一人ひとりも伸び伸びとシュートやドライブをしていいバスケットができている。それが本番でもできたら勝てると思います。思い切りの良さを全試合で出せるようにしたい!」

 愛知県予選をあぶなげなく制してインターハイ出場を決めた中部大第一。キャプテン星野の目は、しっかりと本番を見据えている。


取材・文/清水広美
写真/若生悠貴


愛知県のインターハイ予選で優勝を果たし、県1位代表で本大会へと挑む


インサイドの高さと#4星野、#5坂本らのシュート力で、チームとしての総合力をどこまで高めていけるかかにかかっている


※愛知県インターハイ予選の結果はこちら
※東海ブロック大会は、6月17日(土)、18日(日)、三重県鈴鹿市で開催

◆次回の「注目選手」の紹介予定
 
 ◇坂本 聖芽(中部大第一#5/181㎝/SG/3年)選手……5月30日掲載

◆注目選手◆バックナンバー
 ◇津田 誠人 (洛南 #6/192㎝/F/3年)
 ◇星川 堅信 (洛南 #15/188㎝/SF/1年)
 ◇伊藤 領  (開志国際 #4/180㎝/G/3年)
 ◇和田 蓮太郎 (開志国際#13/197㎝/SF/2年)
 ◇児玉 海渡 (能代工業#5/184㎝/F/3年)
 ◇新田 由直 (能代工業#6/188㎝/PF/2年)
 ◇保泉 遼 (市立船橋#4/181㎝/SG/3年)
 ◇野崎 由之 (市立船橋#7/180㎝/SF/3年)
 ◇中田 嵩基 (福岡大附大濠#13/173㎝/PG/2年)

 ◇土家 大輝 (福岡大附大濠#12/173㎝/PG/2年)

◆能代カップのレポート、結果などはこちら
◆能代カップで光ったルーキーたち01、02はこちら

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