2017/09/1

2017インターハイ 【注目ルーキー】 野口侑真(川内#6/188㎝/PF/1年)

準々決勝は帝京長岡との対戦。相手の厳しいディフェンスに川内のリズムが作れず、ルーキー野口も単発な攻めとなった

野口 侑真(仙台#6/188㎝/PF/1年)
Yuma NOGUCHI

伸び伸びプレーで
確かなシュート力を披露、
川内の躍進の原動力に

 33年ぶりにベスト8入りを果たした県立校の川内(鹿児島)。その躍進の一翼を担ったのが、1年の野口侑真だ。初戦から物怖じしないプレーを発揮。毎試合、安定したシュート力でチームの得点源となった。1回戦の高岡商(富山)戦は21得点、11リバウンド。2回戦の松江西(島根)戦は28得点、14リバウンド。3回戦の新田(愛媛)戦では32得点、15リバウンドのフル回転。優勝候補の一角・帝京長岡(新潟)戦は相手の厳しいディフェンスの前に12得点、7リバウンドに終わったが、3回戦まではダブルダブルの連発だった。

 松江西と一進一退となった2回戦の終盤。拮抗した場面でも慌てることなく、ゴール下シュート、ミドルショット、リバウンドからのセカンドショットなどで加点、チームを支え続けた。76-75と1点リードした残り34秒、勝負を決めたのは、野口のジャンプショットだった。
 「緊迫した展開だったので、自分がシュートを打とうかどうか一瞬、迷いましたが、勝ちたい気持ちが強かったので、思い切り打ちました。自分の役割は点を取ってチームを勝たせること。あの場面でも落ち着いて打つことができました」と野口。
 競った場面だったが、本人は意外と冷静だった。野口の勝負強さが表れていた場面だ。

 「188㎝の野口が入学してきたことで、チームとしても大きくなり、全国でも戦えるのではという手応えはつかみました。ただ、鹿児島県予選の時はターンオーバーばかりして、勝負どころでは怖くて使えなかった。スタメンから外したほどでした。その後、インターハイへ向けての練習では、能力の高さからテクニックに走っていたので、派手なプレーはしなくてもいいから基本をしっかりやることを指摘しました。ミドルショットをきちんと決め、状況判断をしっかりすること。性格が素直なので、そこからはどんどんと吸収していきました」
 こう語るのは川内の田中俊一コーチだ。


滞空時間の長いジャンプからボディコントロールの上手さで確率の高いシュートを見せる野侑真(新田戦から)

 「県予選では自分の思うようなプレーができず、スタートも外され、すごく悔しかったです。でも、先輩たちのお陰でインターハイへの切符が取れた。だから、インターハイ本番では、絶対に活躍してやるという気持ちで練習してきました」と話す野口だ。

 ベスト8入りを懸けた新田戦では、3ポイント2本を含む32得点、15リバウンドと大車輪の活躍だったが、準々決勝では一転。留学生センターのいる帝京長岡の厳しいディフェンスの前に自分たちのオフェンスがなかなかできない苦しい試合となった。野口のシュートも厳しいチェックやブロックにあった。チームとしても留学生相手の試合は、このメンバーでは2回目というほど、経験値がなかった。

 「高さに対抗することができず、自分の力不足を強く感じました。川内の持ち味はディフェンスを頑張って、リバウンドからの速攻という展開ですが、そういうバスケットをさせてもらえなかった。逆に相手のドライブが鋭く、シュートが外れても留学生センターがリバウンドをねじ込んでくるので、すごくストレスのたまる試合になりました」(野口)

 相手センターの高さだけではない。帝京長岡には確率の高い3ポイントもビシビシと決められ、ディフェンスの対応も後手に回ってしまった。試合は45-96で完敗だったが、野口にとっては全てが全国大会を肌で感じる貴重な体験となった。

 「今大会は野口の能力の高さを再確認しました。本人も自信になったと思います。今は3年生に長身者がいるので、3番、4番をさせていますが、来年は1番から5番の全てのポジションをやらせるつもりです。将来的にはガード候補だと思うので、じっくりと育てていきたい」(田中コーチ)
 今大会はチームもベスト8と大躍進を遂げ、さらに野口が得点、リバウンドに限らずボールも運び、エース級の活躍を見せた。田中コーチも今後の野口の育成が楽しみでしかたがない様子だ。

果敢なプレ-でゴールにアタックし続けた野口

 2年後には鹿児島でインターハイが開催される。野口が川内高校を選んだのも、「地元インターハイで恩返しがしたいから」と言う。「田中コーチには小学校の頃からずっと声をかけてもらい、練習をさせてもらってきました。だから迷わずに川内を選びました」

 「目標とするのは馬場雄大(筑波大)選手。188㎝の身長はそんなに高くないけど、リバウンドも取れるオールラウンダーになりたいです。初めてのインターハイでは当たり負けをすごく感じました。今後はフィジカルを強化し、さらにガードポジションにも対抗できるようなディフェンス力を身につけることも課題です」(野口)
 今後、取り組むべきテーマもしっかりと見つかった。

 最後に、野口に、このインターハイはどうだったのか尋ねたら「最高でした」と言う笑顔が返ってきた。
 この夏の経験をバネに、来年、そしてさ来年の地元インターハイへ向けて、野口がどんなプレーヤーに進化を遂げていくのか、注目していきたい。

取材・文/舟山緑
写真/一柳英男


準々決勝、ベスト8進出を決めて喜ぶ川内のメンバー。ルーキー野口にとっては挑戦の日々となった


連日、コートの5人に熱い声援を送り続けたのはエントリー外のメンバーたち。応援メガホンには「文武両道」の文字が描かれていた

◆2017インターハイ 【男子勝ち上がり】

◆2017インターハイ 【川内】 快進撃を見せて33年ぶりのベスト8

◆2017インターハイ 【川内vs松江西】 写真レポート

◆2017インターハイ 【川内vs新田】 写真レポート

◆2017インターハイ 【川内vs帝京長岡】 写真レポート

◆2017インターハイ 【出場校名鑑】


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